あわじ駅前クリニック 耳鼻咽喉科・小児科

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耳だれが出る・臭う

耳だれが出る・耳が臭う(耳漏)

耳の入口がベタつく枕に跡がつく、ふと鼻にツンとくる臭いがする――そんな耳だれ(耳漏)の原因について説明します。

耳だれは、外耳(耳の穴の皮膚)中耳(鼓膜の奥)の炎症・感染などで生じる液体や膿が外へ出てくる状態です。性状(さらさら/ねばねば/膿っぽい/血が混じる など)や臭いは、原因の手がかりになります。放置すると悪化することがあるため、早めの評価が大切です。

耳だれとは

耳だれ(耳漏)は、耳から出てくる分泌物の総称です。漿液性(さらさら)/粘液性/膿性/血性などさまざまなタイプの耳だれがあります。体質による湿った耳あか(湿性耳垢)が耳だれに見えることもありますが、痛み・悪臭・発熱・聞こえづらさを伴うときは病気のサインです。

原因別の特徴

外耳が原因(急性外耳炎など)

耳かきのやりすぎイヤホン・補聴器の長時間装用で皮膚が傷つき、雑菌が増えると外耳道が炎症(外耳炎)を起こします。はじめはさらさら〜粘液性、感染が強まると膿性で臭いが出やすく、耳の入口を押すと痛いのが特徴です。

中耳が原因(急性中耳炎・滲出性中耳炎・慢性中耳炎など)

風邪のあとに鼓膜の奥で炎症が起こると、発熱・強い痛みが出ることがあります(急性中耳炎)。さらに進行し、鼓膜に穴(穿孔)があくと、粘液性〜粘膿性の耳だれが外に流れ出し痛みが和らぐことがあります。

鼓膜に穴(穿孔)が残った状態の慢性中耳炎では、粘膿性で臭いが続きやすく何度も繰り返してしまいます。

まれだが注意したい原因

血性の耳だれは、外傷(耳かき・打撲)や水疱性鼓膜炎、まれに腫瘍が背景のこともあります。また、頭部外傷後水のように無色透明の耳だれが外傷後に続く場合は、髄液漏(髄液耳漏)の可能性があり、専門的評価が必要です。

喘息・好酸球性副鼻腔炎などに合併する好酸球性中耳炎では、非常に粘稠な耳だれが特徴です。

診断の流れ

問診で経過・性状・誘因(耳かき・水泳・風邪後など)を伺い、耳鏡や細径内視鏡で外耳道から鼓膜まで確認します。必要に応じて聴力検査細菌培養、外傷時は画像検査を行い、原因と広がりを見極めます。

治療

外耳炎

外耳道の清掃と外用薬(抗菌薬/ステロイド/抗真菌薬)で炎症と感染を抑えます。むやみに耳をいじらないことが再発予防に有効です。

急性中耳炎・慢性中耳炎

痛み止めでつらさを軽減し、所見に応じて抗菌薬を使用します。穿孔が残る・反復する場合は手術加療(鼓室形成術など)を検討します。(手術が必要と判断した場合は、連携する基幹病院へ紹介いたします。)

特殊なタイプへの対応

好酸球性中耳炎では粘稠な耳だれを定期的に除去し、点鼻・吸入治療合併する気道炎症(喘息・好酸球性副鼻腔炎など)の管理を併用します。

外傷・髄液漏が疑われる場合は高次医療機関と連携し、専門的治療を優先します。

予防とセルフケア

  • 耳かきは月1回・耳の入口だけ。奥まで入れない

  • イヤホン・補聴器は清潔に。長時間連続装用を避ける

  • 入浴・水泳後は耳の入口をやさしく拭く

  • 風邪・鼻炎の時期は鼻のケアも同時に(中耳炎の予防)

Q&A

Q. 耳だれ=必ず中耳炎ですか?

A. いいえ。外耳炎でも多く見られます。耳の入口を押すと痛いなら外耳炎のことが多く、風邪のあと・発熱・鼓膜の奥の痛みは中耳炎を疑います。診察で鑑別します。

Q. くさい耳だれが続きます。放っておいて大丈夫?

A. 慢性中耳炎や外耳炎が長引いている可能性があります。原因により治療が変わるため、放置せず受診をおすすめします。

Q. 湿った耳あか体質で、いつも耳だれっぽいです。病気?

A. 体質由来の湿性耳垢のことがあります。ただし臭い・痛み・聞こえづらさがあれば炎症や感染を疑います。自己流の耳掃除は控え、耳鼻咽喉科で安全に除去しましょう。

Q. 飛行機のあとから耳だれが。受診は必要?

A. 気圧外傷で鼓膜に傷や穿孔が生じた可能性があります。血性・水様性の耳だれや強い痛みがあれば受診をおすすめします。二次感染予防が重要です。

まとめ(院長メッセージ)

耳だれは原因によって治し方が変わる症状です。

当院では細径内視鏡で鼓膜まで丁寧に確認し、耳内の清掃適切な外用・内服治療、必要に応じて手術施設との連携まで一貫して対応します。

つらい耳だれや臭いでお困りの方は、どうぞ早めにご相談ください。

記事監修

院長のプロフィール写真

Itsuki Kitayama

あわじ駅前クリニック 院長・医学博士

北山 一樹

医学博士(大阪大学)
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 認定専門医・指導医
日本アレルギー学会 認定専門医
日本喘息学会 認定専門医
日本音声言語医学会 音声言語認定医

大学病院・基幹病院にて小児から成人、一般的な耳鼻咽喉科疾患から悪性疾患まで幅広い診療を担当。外来・手術・研究の総合的な経験を有する。
音声の研究では、“粗ぞう性嗄声(ガラガラ声)”の音響学的なメカニズムとその発声機構を世界で初めて解明し、学術報告を行う。
また、難しくなりがちな医療情報をわかりやすく伝えることを目指し、医学専門デザイン事業STUDIO BIUMを運営。学会・医療機関のロゴ・配布資料・Webサイトなど、一貫した“わかりやすさ”を設計している。

学術実績など