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急性喉頭蓋炎


急性喉頭蓋炎(きゅうせいこうとうがいえん)
ある夜、突然の高い熱と強いのどの痛み。水を飲もうとしても飲み込みづらい、声を出すとかすれて苦しい。寝ていても息がしづらい――そんな時に疑うべき病気の一つが急性喉頭蓋炎です。
放っておくと短時間で気道がふさがり命に関わることがあります。早急な診断と治療介入が大切です。

急性喉頭蓋炎とは
喉頭蓋(こうとうがい)は、ものを飲み込む時に気道へ食べ物が入らないようにフタの役目をする部分です。ここが細菌感染などで急に腫れると、空気の通り道(上気道)が狭くなるため、呼吸困難を起こすことがあります。
成人も小児も起こり得ますが、発症からの進行が速いのが特徴です。近年は小児のHibワクチン普及で子どもの発症は減りましたが、大人の発症は依然として見られます。


症状
はじめは発熱とつばを飲むだけでしみるようなのどの痛みから始まります。
痛みの部位は、喉仏の高さであることが一般的です。
次第に飲み込みにくさ(嚥下障害)、つばも飲めなくなりよだれが出る、声が出しづらい、息苦しいといった症状が目立ってきます。症状が強いと、前かがみで口を開けた姿勢の方が楽に感じることもあり、非常に危険なサインです。息苦しさや唾液が飲み込めないときは、我慢せず早急に耳鼻咽喉科や救急病院を受診してください。

原因
多くは細菌感染(インフルエンザ菌、溶連菌など)により生じます。喫煙、糖尿病、飲酒、口腔内衛生の不良はリスクになり得ます。

検査と診断
まずはのどの診察(細径内視鏡)で、喉頭蓋の赤みや腫れの程度、空気の通り具合を確認します。のどの奥の炎症や腫れの程度によっては、早急な点滴や外科的治療が必要な場合もあり、その場合は高次機能病院へ迅速に紹介いたします。

治療
治療の柱は、気道の安全確保と炎症のコントロールです。
緊急性が比較的少いと判断される場合は、抗菌薬やステロイドを速やかに投与します。入院管理が必要と思われる場合は、連携する高次機能病院へ紹介いたします。
空気の通り道が炎症によって狭くなってしまい、窒息のリスクが高いと判断される場合は、気管切開などで空気の通り道を予防的に確保する場合があります。気管切開が必要と思われる場合は、救急車を手配し連携する高次機能病院へ紹介いたします。

受診の目安
高熱+つよいのどの痛みに加え、飲み込みづらい、よだれが増える、息苦しい、声が変わったなどがあれば、すぐに耳鼻咽喉科または救急外来を受診してください。

Q&A
Q. 風邪との違いは?
A. 風邪でものどは痛みますが、水分も飲めないほどの飲み込みづらさやよだれが増える、息苦しいなど、いつもと違う"強い"症状のときは要注意です。数時間〜半日で悪化するスピード感も、急性喉頭蓋炎の特徴です。
Q. どのくらいで良くなる?
A. 経過がよければ1週間程度で改善することが多いです。しかし、増悪の速度が早い症例もあり、点滴を行ってもどんどん増悪してしまう場合もあります。完全に改善するまでは内視鏡などで炎症の程度をこまめに確認することが大切です。

まとめ(院長メッセージ)
当院では、細径内視鏡でのどの腫れを迅速かつ丁寧に評価し、重症度を判断します。救急対応が必要と判断した場合は、近隣の基幹病院と連携し、気道の安全確保を最優先に搬送・入院調整を行います。
少しでも不安があれば、遠慮なくご相談ください。
記事監修

Itsuki Kitayama
あわじ駅前クリニック 院長・医学博士
北山 一樹
医学博士(大阪大学)
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 認定専門医・指導医
日本アレルギー学会 認定専門医
日本喘息学会 認定専門医
日本音声言語医学会 音声言語認定医
大学病院・基幹病院にて小児から成人、一般的な耳鼻咽喉科疾患から悪性疾患まで幅広い診療を担当。外来・手術・研究の総合的な経験を有する。
音声の研究では、“粗ぞう性嗄声(ガラガラ声)”の音響学的なメカニズムとその発声機構を世界で初めて解明し、学術報告を行う。
また、難しくなりがちな医療情報をわかりやすく伝えることを目指し、医学専門デザイン事業STUDIO BIUMを運営。学会・医療機関のロゴ・配布資料・Webサイトなど、一貫した“わかりやすさ”を設計している。
学術実績など
