あわじ駅前クリニック 耳鼻咽喉科・小児科

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プール熱

アデノウイルス感染症について

アデノウイルス感染症とは

アデノウイルスは、のどや気管、目、腸、尿路など複数の臓器に感染を起こすウイルスです。型が多く、代表的なものだけでも1〜8型が知られ、咽頭結膜熱(いわゆるプール熱)流行性角結膜炎かぜ様の上気道炎胃腸炎など、症状の出方に幅があります。

型が多いぶん一度治っても別の型に再感染することが珍しくありません。流行は春〜夏に目立ち、プールの水を介した感染が起きることからプール熱の名がつきました。

症状

潜伏期間は5〜7日が目安です。発熱(37〜39℃)とともに、のどの痛み、強い充血や目やに、鼻水・鼻づまり、咳が組み合わさって現れます。

眼の症状が目立つ型では光がまぶしい、砂が入ったような痛みを訴えることがあり、咽頭結膜熱では高熱とのどの発赤・腫れ・結膜炎が同時に起きます。

小児では食欲不振や嘔吐を伴うことがあります。

うつり方と流行時期

感染は飛沫接触が中心です。咳やくしゃみのしぶき、目や鼻の分泌物がついた手やタオル、ドアノブなどから、口・鼻・目の粘膜へ入ります。

プール水を介した感染も知られており、初夏から夏休み前後に流行の波が立ちやすくなります。

診断

診察でのどや結膜の状態を確認し、必要に応じて迅速検査を行います(のどから採取します)。

結果は短時間で分かることが多いですが、検査の選択は症状の出方と流行状況を踏まえて決めます。

治療

アデノウイルス自体を直接抑える内服薬はありません。治療は対症療法が中心で、解熱鎮痛薬うがい、眼の症状には点眼薬を使います。

こまめな水分補給休養が回復を早めます。

結膜炎が強い場合はコンタクトレンズを中止し、清潔を保つことが重要です。

予防

基本は手洗い咳エチケットです。目・鼻・口をこすらないタオルや洗面具を共有しない、プール後はシャワーで十分に洗い流すことが有効です。

家庭内では、分泌物の付いたティッシュは密閉して捨て、よく触れる場所を清拭します。熱に弱いため、汚れたタオル類は高温の湯で洗濯すると安心です。

登園・登校の目安

アデノウイルスは感染力が非常に強いため、学校保健安全法では「発熱・咽頭炎・結膜炎などの主要症状が消失してから2日を経過するまで」は出席停止の扱いです。

園や学校の指示に従い、再開時期は体調の回復と医師の判断で決めましょう。当院では必要な意見書・証明書の作成に対応します。

Q&A

Q. 家族にうつさないために、家で気をつけることは?

A. 手洗いタオルの共用を避けることが最重要です。目や鼻の分泌物がついた手でドアノブやスイッチに触れると広がるため、こまめに清拭してください。結膜炎がある場合は目に触れない、点眼は家族で使い回さないことが大切です。プールや入浴は体調が回復してからにしましょう。

Q. どれくらいで治りますか?熱が長く続くのが心配です。

A. 多くは数日〜1週間前後で解熱し、のどや目の症状も徐々に軽くなります。脱水は悪化のサインになりやすいため注意が必要です。

Q. 眼の症状が強い時、してはいけないことは?

A. コンタクトレンズは中止してください。タオルや枕カバーは個別に管理し、目をこすらないことが拡大予防になります。点眼は指示通りの回数と期間を守り、治りかけでも自己中断は避けましょう。

Q. 迅速検査はいつ受けるのが良いですか?

A. 発症早期は陰性になることがあり、症状の強い部位(のど・結膜・腸症状など)に合わせてタイミングを判断します。臨床所見と流行状況で検査の要否を個別に決めるのが確実です。迷ったら受診時にご相談ください。

Q. 登校・登園の再開はどのタイミングですか?

A. 主要症状が消えてから2日が基本です。解熱だけでなく、のどの痛みや結膜炎が落ち着いていること、食事・睡眠が普段どおりに戻っていることを確認しましょう。

まとめ

アデノウイルス感染症は、のどと目の症状が同時に出やすく、夏季に流行することが多い病気です。決め手となる特効薬はないため、早めの診断ていねいな対症療法、そして家庭内の感染対策が回復を早めます。

登園・登校の時期は法律上の基準と体調の回復で判断します。気になる症状が続くとき、眼の痛みが強いときは、どうぞ早めにご相談ください。

記事監修

院長のプロフィール写真

Itsuki Kitayama

あわじ駅前クリニック 院長・医学博士

北山 一樹

医学博士(大阪大学)
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 認定専門医・指導医
日本アレルギー学会 認定専門医
日本喘息学会 認定専門医
日本音声言語医学会 音声言語認定医

大学病院・基幹病院にて小児から成人、一般的な耳鼻咽喉科疾患から悪性疾患まで幅広い診療を担当。外来・手術・研究の総合的な経験を有する。
音声の研究では、“粗ぞう性嗄声(ガラガラ声)”の音響学的なメカニズムとその発声機構を世界で初めて解明し、学術報告を行う。
また、難しくなりがちな医療情報をわかりやすく伝えることを目指し、医学専門デザイン事業STUDIO BIUMを運営。学会・医療機関のロゴ・配布資料・Webサイトなど、一貫した“わかりやすさ”を設計している。

学術実績など