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痰に血が混じる


痰に血が混じる|「どこからの血?」を見極めるコツと受診の目安

痰に血が混じるとは?
朝、痰を吐いたときに赤い筋やピンク色が混じっていてドキッとする——そんなご相談は少なくありません。痰に混ざる血は、鼻・口・のど・気管支や肺・食道や胃など、通り道のどこからでも紛れ込む可能性があります。少量で自然におさまることもありますが、繰り返す・量が増える・黒っぽい/鮮やかな赤などの変化があれば早めに評価が必要です。

どこからの血?見分け方のヒント
鼻・口からの血
鼻出血のあとにのどへ流れた血が、そのまま痰と一緒に出てくることはよくあります。歯ぐきの出血や口内炎からのにじみも混ざります。鏡で鼻腔前方や歯ぐきを見ると手がかりになることがあります。
のど(咽頭・喉頭)からの血
強い咳・のどのこすれで粘膜が傷つくと、痰に血が混じることがあります。扁桃炎、上咽頭炎、声帯ポリープや結節などでも少量の出血をみることがあります。
気管支・肺からの血(喀血)
ゼーゼー・胸部違和感・発熱・長引く咳を伴って鮮やかな赤や泡立つ痰が出るときは、気管支炎・気管支拡張症・肺炎・まれに肺の腫瘍など呼吸器由来の可能性があります。耳鼻科で上気道を確認しつつ、連携先の画像検診センターで肺のCT画像評価を行って頂けます。必要時は呼吸器内科に連携します。
消化管(胃や食道)からの血(吐血)
コーヒー残渣様(黒っぽい)・吐き気/胸やけ・腹部症状がある場合は、痰ではなく吐血のことがあります。内科消化器領域の評価が必要です。

当院で行う評価と検査
まずは問診(いつから・量・色・同時症状・お薬歴)と、鼻腔・咽頭・喉頭の内視鏡で“食堂より上からの出血”がないかを丁寧に確認します。
鼻のキズや出血点、扁桃・上咽頭炎症、声帯病変の有無を評価します。上気道に出血源がなければ、必要に応じ胸部CT画像検査や呼吸器内科へ紹介し、肺のの精査・加療につなげます。

抗血栓薬(血をさらさらにする薬)を内服中の方へ
ワルファリン、DOAC、アスピリン、クロピドグレルなどの抗凝固薬・抗血小板薬を服用していると、軽い炎症や小さな傷でも出血が長引くことがあります。自己判断で中止せず、お薬手帳をお持ちください。処置や検査が必要な場合は主治医と連携して安全に進めます。

ご自宅でのセルフケアのコツ
乾燥を避けて加湿、強く何度ものどを咳払いし過ぎない、鼻血が出た後は鼻を強くかまない。痰の色・量・血の混じり具合をメモしておくと診断の助けになります。

Q&A
Q. 赤い痰が出ました。様子見でよいのはどんなとき?
A. 風邪や強い咳の後に少量の血の筋が1〜2日だけで、その後ぴたっと止まる場合は、のどのこすれが原因のことがあります。ただし繰り返す/量が増える/体調が悪いときは受診してください。
Q. 声がれと血の痰が続きます。危険ですか?
A. 2週間以上続く声がれ+血の混入は、声帯の炎症・ポリープから腫瘍性病変まで幅があります。内視鏡での確認をおすすめします。喫煙歴のある方は特に早めに受診してください。

まとめ(院長からのメッセージ)
痰に混じる血は、軽いのどの炎症から、肺の病気まで幅広いサインになり得ます。
当院では、細径の内視鏡を用いて鼻腔〜喉頭まで詳細に観察し、必要に応じて呼吸器内科・消化器内科と迅速に連携します。
「様子を見ていいのか迷う」という方こそ、一度ご相談ください。
記事監修

Itsuki Kitayama
あわじ駅前クリニック 院長・医学博士
北山 一樹
医学博士(大阪大学)
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 認定専門医・指導医
日本アレルギー学会 認定専門医
日本喘息学会 認定専門医
日本音声言語医学会 音声言語認定医
大学病院・基幹病院にて小児から成人、一般的な耳鼻咽喉科疾患から悪性疾患まで幅広い診療を担当。外来・手術・研究の総合的な経験を有する。
音声の研究では、“粗ぞう性嗄声(ガラガラ声)”の音響学的なメカニズムとその発声機構を世界で初めて解明し、学術報告を行う。
また、難しくなりがちな医療情報をわかりやすく伝えることを目指し、医学専門デザイン事業STUDIO BIUMを運営。学会・医療機関のロゴ・配布資料・Webサイトなど、一貫した“わかりやすさ”を設計している。
学術実績など
