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耳が痛い


耳が痛い(耳痛)
「風邪のあとに耳がズキズキ痛む」「耳の入口を触るとチクッとする」「飛行機で急に耳が詰まって痛い」。
耳の痛みは日常でよく出会う症状ですが、原因は耳そのものの炎症から、あご・歯・のどの病気による関連痛までさまざまです。
ここでは、考えられる原因と当院での診かた、セルフケアと受診の目安をわかりやすくまとめます。

耳の痛みのしくみ
耳の痛みは大きく二つに分けられます。ひとつは外耳や中耳など耳そのものが原因の痛み。もうひとつは、あご(顎関節)・歯・のどなど耳の周囲の臓器のトラブルが、共有する神経を介して耳に響く関連痛です。
耳鼻咽喉科では、鼓膜や外耳道の所見、鼻・のどの状態、顎関節の動きまで総合して原因を見極めます。


耳そのものが原因の痛み(耳性耳痛)
急性中耳炎
風邪の後などに中耳(鼓膜の奥)に細菌・ウイルスが入り炎症を起こします。強い痛みと発熱、ときに耳だれがでます。小児に多く、鼓膜が赤く腫れて膨らむのが特徴です。痛み止めでつらさを抑えつつ、必要に応じて抗菌薬や鼓膜切開で膿を出します。
急性外耳炎
耳の穴(外耳道)の皮膚が傷ついたところに細菌が増えて起こります。耳の入口を押すと痛い、かゆみ、悪臭のある耳だれが目安となります。水泳後・綿棒のやりすぎが引き金となることがあります。外耳道の清掃、点耳薬や外用薬で治療します。
航空性中耳炎・耳の圧外傷
飛行機の離着陸や高所・潜水で気圧差が耳にかかると鋭い痛みや詰まった感じが出ます。鼻の炎症があると起こりやすく、耳抜き(のみ込み・あくび)が有効です。鼻を強くかんだりした際にも起こり得ます。
鼓膜炎・水疱性鼓膜炎
鼓膜自体が炎症を起こし激しい痛みに。水疱ができるタイプは痛みが強く、抗炎症薬や抗菌薬、耳内の処置を行います。
耳帯状疱疹(ラムゼイ・ハント症候群)
水痘・帯状疱疹ウイルスが耳の神経に再活性化し、強い耳痛と水疱、顔面神経麻痺、難聴・めまいを伴うことがあります。早期の抗ウイルス薬とステロイドが重要です。すぐ受診してください。
外傷・異物・腫瘍
耳かきでの傷、子どもの異物(ビーズ、虫など)、まれに腫瘍でも痛みが出ます。無理に触らず受診をお願いします。長く続く一側の耳痛・耳だれは特に精査が必要です。

耳以外が原因の痛み(関連痛)
顎関節症
耳のすぐ前の顎関節のトラブルで、噛む・あくびで耳の奥が痛むことがあります。口の開閉で関節音が出ることが特徴で、食いしばりなどが誘因とされています。顎の安静、理学療法、歯科連携の治療をおこないます。
歯の病気
虫歯・歯髄炎・親知らずの炎症が耳の奥の痛みとして感じられることがあります。噛むと痛む歯、しみる症状が特徴です。
のどの病気(咽頭炎・扁桃炎・扁桃周囲膿瘍)
飲み込むと耳に響く痛みは、のどの炎症が関係することがあります。
のどと耳は、痛みの信号を伝える神経を共有しています。のみ込む動作で刺激される舌咽神経や迷走神経は、のど(扁桃・咽頭)だけでなく中耳や外耳道の一部にも感覚枝を伸ばしています。のどの粘膜が炎症で腫れたりすると、その刺激が同じ神経を通って耳の奥の痛みとして感じられるのです。
発熱・のどの強い痛みを伴うときは早めに受診をお願いします。
神経痛(舌咽神経痛・三叉神経痛 など)
電気が走るような短い激痛を繰り返すのが特徴です。洗顔・会話・飲み込みなどで誘発されることもあります。専門的な画像診断と薬物療法・神経ブロック等が有効な場合があります。

当院での診断と治療
まず耳鏡・細径内視鏡で外耳道から鼓膜、中耳の所見を丁寧に確認し、必要に応じて聴力検査、のど・鼻の評価を行います。
治療は原因に合わせて、痛み止め、点耳薬・外用薬、抗菌薬、外耳道の清掃などを行います。 のどの炎症が疑われる場合は、そちらの治療を行います。

Q&A
Q. 中耳炎と外耳炎、見分けはつきますか?
A. 自己判断は難しいですが、外耳炎は耳の入口を押すと痛いことが多く、中耳炎は風邪後に鼓膜の奥がズキズキし、聴こえにくさや発熱を伴いがちです。耳鼻科の内視鏡などを用いればすぐに診断がつきますので、どちらも早めの診察が重要です。
Q. 飛行機で毎回耳が痛くなります。予防できますか?
A. 鼻のコンディションを整え、搭乗中はのみ込み・あくび・ガムで耳管を開ける工夫を行ってください。鼻炎がある場合は事前の点鼻薬が有効なこともあります。強い痛みが続く方はご相談ください。
Q. 片側だけの耳の奥の痛みが続きます。耳は正常と言われました。
A. 顎関節・のどの炎症・神経痛などの関連痛の可能性があります。必要に応じて内視鏡でのどの精査や顎関節の評価などを行います。神経痛に関しては診断が難しく、疑い止まりとなることもあります。必要時はペインクリニックなどとの連携を行います。

まとめ(院長メッセージ)
耳の痛みは原因の幅が広い症状です。急性中耳炎から外耳炎、耳帯状疱疹や関連痛までの幅広い診療経験をもとに、当院では細径内視鏡による丁寧な観察と根拠に基づく治療で、痛みを素早く和らげ、再発を防ぐところまでサポートします。
つらい耳の痛みでお困りの方は、どうぞ早めにご相談ください。
記事監修

Itsuki Kitayama
大阪あわじ駅前クリニック 院長・医学博士
北山 一樹
医学博士(大阪大学)
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 認定専門医・指導医
日本アレルギー学会 認定専門医
日本喘息学会 認定専門医
日本音声言語医学会 音声言語認定医
大学病院・基幹病院にて小児から成人、一般的な耳鼻咽喉科疾患から悪性疾患まで幅広い診療を担当。外来・手術・研究の総合的な経験を有する。
音声の研究では、“粗ぞう性嗄声(ガラガラ声)”の音響学的なメカニズムとその発声機構を世界で初めて解明し、学術報告を行う。
また、難しくなりがちな医療情報をわかりやすく伝えることを目指し、医学専門デザイン事業STUDIO BIUMを運営。学会・医療機関のロゴ・配布資料・Webサイトなど、一貫した“わかりやすさ”を設計している。
学術実績など




