大阪あわじ駅前クリニック 耳鼻咽喉科・小児科

about

耳あか

耳垢(みみあか)と正しい耳掃除

耳のしくみと耳垢の性質

耳の穴(外耳道)は大人でおよそ3cm、途中でゆるやかに曲がっています。入り口側は軟骨部、奥は骨部で、骨部は皮膚がとても薄く傷つきやすいのが特徴です。

耳垢には乾燥型湿性(粘性)型があり、どちらも体質(遺伝)で決まります。日本人は乾燥型が約7割とされ、自然に外へ押し出されやすい傾向があります。

耳の解剖

外耳の自浄作用

外耳道の皮膚は鼓膜側から入口へ少しずつ移動しており、はがれた皮膚や分泌物が耳垢となって自然に外へ排出されます。このため、健康な耳は深部の清掃を必要としません。むしろ、奥まで掃除すると耳垢を押し込んで栓状にする、あるいは外耳炎の原因になることがあります。

耳掃除の基本

耳掃除はしない、もしくは最小限が原則です。

どうしても気になる場合は、入浴後に耳の入口から見える範囲だけを、短時間かつやさしくお手入れしてください。奥(骨部)まで触れず、万が一痛みや出血があれば中止して受診しましょう。

耳垢がたまりやすい人

湿性耳垢の体質、外耳道が狭い方、お子さん・高齢者アトピー性皮膚炎のある方、補聴器や耳栓、密閉型イヤホンを長く使う方は耳垢がたまりやすく、耳垢栓塞外耳炎が増えることがあります。

気になる、聞こえがこもる、耳が詰まる感じがする時は耳鼻科での清掃が安全です。

受診の目安

「耳掃除だけで受診してよいのか」と迷う必要はありません。

見えない場所だからこそ専門の器具(顕微鏡・吸引・鉗子)で安全に対応できます。とくに、聞こえが急に悪くなった、耳閉感、痛み、分泌物がある時は早めの受診をおすすめします。

耳垢だと思っていても、低音障害型難聴や突発性難聴など別の病気が隠れることがあるためです。それらの疾患は、早期の治療介入が予後を左右します。
ご自身で判断せず、耳鼻咽喉科の受診をおすすめします。

耳掃除の頻度

自浄作用が働くため、多くの方は基本的に不要です。行う場合でも2週間~1か月に1回・数十秒程度で十分です。
補聴器ユーザーは3か月ごとの耳鼻咽喉科での予防的チェックを推奨しています。

Q&A

Q. 耳掃除だけで耳鼻科を受診しても大丈夫ですか?

A. もちろん大丈夫です。医学的に必要な範囲を短時間・安全に清掃します。長引くマッサージや過度な刺激は行いません。

Q. 痛みが出たり出血したりしたらどうすればいいですか?

A. その時点で中止し、できるだけ早く受診してください。外耳道は薄い皮膚で守られており、傷つくと外耳炎の原因になります。ご家庭での消毒は刺激になることがあるため、自己判断は控えましょう。

Q. 綿棒なら耳掃除してもいいですか?

A. 綿棒は気持ちよさから長時間になりやすく、結果的に皮膚刺激押し込みを招きやすい道具です。どうしても使うなら入口の範囲だけに短時間、力を入れずに行いましょう。

Q. 子どもの耳掃除はどうすればよいですか?

A. お子さんは外耳道が狭く、動きやすいため奥のお手入れは避けるのが安全です。見える部分だけ、入浴後にそっと拭う程度で十分です。たまりやすい体質や耳垢栓塞が疑われる場合は数か月に一度の受診を目安にしてください。

Q. 聞こえが悪いのは耳垢のせいでしょうか?

A. 耳垢が原因のこともありますが、難聴の初期中耳のトラブルでも同じ訴えが出ます。自己判断で放置せず、まず診察と鼓膜の確認・聴力検査で原因を見極めましょう。

当院でできること

当院では顕微鏡下での耳垢除去吸引・鉗子での安全な清掃外耳炎の治療に対応します。必要に応じて鼓膜の観察聴力検査補聴器装用中の耳内チェックまで一連で行い、再発予防のセルフケアもお伝えします。お子さんには固定・声かけを丁寧に行い、短時間で済むよう心がけています。

まとめ

耳は自浄作用が働く部位です。奥の掃除は不要で、やり過ぎはかえってトラブルのもとになります。

耳垢が気になる、詰まった感じがする、聞こえがにぶい——そんな時こそ、耳鼻科での安全な清掃原因のチェックをおすすめしています。気軽にご相談ください。

記事監修

院長のプロフィール写真

Itsuki Kitayama

大阪あわじ駅前クリニック 院長・医学博士

北山 一樹

医学博士(大阪大学)
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 認定専門医・指導医
日本アレルギー学会 認定専門医
日本喘息学会 認定専門医
日本音声言語医学会 音声言語認定医

大学病院・基幹病院にて小児から成人、一般的な耳鼻咽喉科疾患から悪性疾患まで幅広い診療を担当。外来・手術・研究の総合的な経験を有する。
音声の研究では、“粗ぞう性嗄声(ガラガラ声)”の音響学的なメカニズムとその発声機構を世界で初めて解明し、学術報告を行う。
また、難しくなりがちな医療情報をわかりやすく伝えることを目指し、医学専門デザイン事業STUDIO BIUMを運営。学会・医療機関のロゴ・配布資料・Webサイトなど、一貫した“わかりやすさ”を設計している。

学術実績など