about
頭頸部がん


頭頸部がんについて

頭頸部がんとは
頭頸部とは、首から上の「脳と眼を除く」すべての領域を指します。
頭頸部がんはこの部位に生じるがんの総称で、口腔(舌を含む)・咽頭(中咽頭/下咽頭)・喉頭・鼻腔/副鼻腔・唾液腺・耳などに発生します。甲状腺も頭頸部に含まれます。
初期は無症状、繰り返す出血、かぜに似た症状で始まることが多く、気づきにくいのが難点です。
早期発見・早期治療が、機能(声・飲み込み・見た目)を守るうえで何より大切です。
主な症状
のどの痛みや違和感、声がれ、飲み込みにくさ(むせる)、片側の耳痛(のど由来のことがあります)、口内の治りにくい白/赤い斑、血の混じった唾液や痰、鼻づまり・血性鼻汁・頬の腫れ、首のしこりなど。
2週間以上続く場合は、受診をご検討ください。
原因・リスク
喫煙と多量飲酒は代表的なリスクです。さらにHPV(ヒトパピローマウイルス)感染、慢性的な刺激(合わない義歯など)、家族歴・遺伝要因が関与します。
HPV関連の中咽頭がんは、比較的若い年齢でもみられます。
受診の目安
「いつもののど風邪と違う」感覚がある、または2週間以上症状が持続。
首のしこり、声がれの長期化、飲み込みにくさ、口内の白斑/赤斑がある。
喫煙・飲酒の習慣があり、症状が反復する。

診断(当院での流れと各検査の役割)
まずは症状の経過を丁寧に伺い、視診・触診と細径内視鏡で、鼻・のど・声帯を直接観察します。必要に応じて、画像検査や病理検査が加わります。
視診・触診
口腔・咽頭の粘膜の色・表面・出血しやすさ、頸部のしこりの硬さや動きを確認します。
内視鏡検査
細径の内視鏡で鼻腔〜咽頭〜喉頭を直接観察します。NBI(狭帯域光)などの観察モードで、早期病変の血管パターンも評価します。
病理検査(生検/細胞診)
確定診断に不可欠です。病変の一部を採取して顕微鏡でがん細胞の有無を確認します(この検査が必要と判断した場合は、高次医療機関へ速やかにご紹介いたします)。
画像検査(CT/MRI/PET-CT)
広がり(深さ・周囲臓器・リンパ節)を立体的に把握します。ステージ判定と治療方針決定に重要です(CT/MRIまで、同ビルの画像健診センターと連携し迅速に手配します)。
超音波(エコー)
甲状腺・唾液腺・頸部リンパ節などの性状を非侵襲的に確認します。
穿刺細胞診が必要と判断した場合は、高次医療機関へ速やかにご紹介いたします)。

治療(※高次医療機関での治療内容になります)
治療は部位・進行度・全身状態を総合して選択します。
根治と生活の質(QOL)の両立を重視し、多職種チームと連携して方針を決めていきます。
外科治療(手術)
必要最小限の切除と再建で機能温存を図ります。部位により経口的(内視鏡/ロボット支援)が選択できる場合があります。
放射線治療
声や嚥下機能を温存したいケースで有効なことが多く、早期喉頭がんなどで声を残す治療となり得ます。化学療法と併用して行うことで、進行度によっては根治を目指すことのできる治療です。
化学療法・免疫療法
化学放射線療法として放射線と併用し効果を高める、あるいは再発・転移に対して免疫チェックポイント阻害薬や分子標的薬を検討します。
リハビリテーション/支持療法
嚥下・発声リハ、栄養サポート、疼痛コントロールを治療前から取り入れることで、回復と社会復帰を支えます。

予防と生活の工夫
禁煙・節酒は最重要です。
口腔ケアで慢性刺激を減らし、HPVワクチンは中咽頭がんの一部でリスク低減が期待されます。長引く症状は自己判断で放置しないことが、機能を守る近道です。

当院の特徴と受診前のお願い
当院は細径内視鏡による丁寧な観察で早期発見に努め、必要な検査を迅速に手配いたします。
受診の際は、いつから・どのくらい・何がつらいかをメモにしていただけると診察がスムーズです。過去の画像・検査結果があればご持参ください。
一言メッセージ:
頭頸部がんは、早く見つければ守れる機能が増えます。気になるサインが続くときは、どうぞ遠慮なくご相談ください。
わかりやすい言葉で、検査や治療の選択肢をご提案させていただきます。
記事監修

Itsuki Kitayama
あわじ駅前クリニック 院長・医学博士
北山 一樹
医学博士(大阪大学)
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 認定専門医・指導医
日本アレルギー学会 認定専門医
日本喘息学会 認定専門医
日本音声言語医学会 音声言語認定医
大学病院・基幹病院にて小児から成人、一般的な耳鼻咽喉科疾患から悪性疾患まで幅広い診療を担当。外来・手術・研究の総合的な経験を有する。
音声の研究では、“粗ぞう性嗄声(ガラガラ声)”の音響学的なメカニズムとその発声機構を世界で初めて解明し、学術報告を行う。
また、難しくなりがちな医療情報をわかりやすく伝えることを目指し、医学専門デザイン事業STUDIO BIUMを運営。学会・医療機関のロゴ・配布資料・Webサイトなど、一貫した“わかりやすさ”を設計している。
学術実績など
