あわじ駅前クリニック 耳鼻咽喉科・小児科

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鼻出血

鼻出血(びしゅっけつ)|正しい対処と再発予防

鼻出血とは

鼻出血は、鼻の中の血管から血液が流出する状態を指し、日常的に遭遇する耳鼻咽喉科の症状の一つです。多くは鼻粘膜の乾燥機械的刺激で起こる軽症の出血ですが、体調や薬、基礎疾患の影響を受けることもあります。

鼻の前方で起こる前鼻出血が大半を占め、そのほとんどが正しい圧迫で止血できます。

一方で、鼻の奥で起こる後鼻出血は出血量が多く、のど側へ回りやすいため、専門的な対応が必要になることがあります。

鼻出血の症状と主な原因

鼻から鮮やかな赤色の血液が出る、のどへ血液が流れ込み鉄の味がする、血の塊が出る、などが典型的な症状です。誘因として、鼻を強くかむ・ほじる・こするといった物理的刺激、かぜやアレルギー性鼻炎にともなう粘膜炎症、乾燥温度変化高血圧抗凝固薬・抗血小板薬の内服などが挙げられます。

出血部位は鼻の前方が多いものの、体調や基礎疾患によっては奥から出血する場合もあり、状況に応じた見極めが重要です。

前鼻出血

鼻を左右に分ける壁である、鼻中隔の前方のキーゼルバッハ部位と呼ばれる血管の集まる領域からの出血が大多数です。鼻の入り口から約1cmの位置にあり、指先やティッシュが触れやすい高さのため、乾燥刺激で傷つきやすくなります。

適切に小鼻を圧迫すれば多くが止血可能で、処置後は保湿刺激の回避が再出血の防止につながります。

後鼻出血

鼻腔の後方・のど側で起こる出血で、太い血管が関与するため出血量が多く、血液がのどへ回りやすいのが特徴です。口から血液が出る、圧迫してもすぐ再出血する、ふらつきや気分不快が強い、といった場合は耳鼻咽喉科での止血処置が必要となります。原因として、感染や炎症高血圧凝固異常腫瘍・ポリープ外傷、あるいは薬剤の影響が考えられます。

診断について

診察では出血の状態を確認し、鼻鏡や内視鏡で出血点を探します。反復する場合や出血量が多い場合、背景に炎症・腫瘍・外傷・血液疾患がないかを検討します。必要に応じて血圧測定血液検査画像検査を組み合わせ、病態を見極めます。当院では、止血と同時に再発リスクの説明生活指導を丁寧に行い、必要に応じて内科等と連携します。

治療方法

まずは圧迫止血が基本です。

出血点がピンポイントで確認できる場合は、電気凝固を選択します。止血処置後は、粘膜の保湿抗炎症治療鼻炎コントロールが再発予防に役立ちます。

後鼻出血や反復例では、タンポン・パッキングなどの対応が検討されます。

ご家庭での止血の方法

まずは深呼吸で落ち着き、座位で上体をやや前傾にします。小鼻を親指と人差し指でしっかりつまみ10〜15分は連続して圧迫します。

鼻の真ん中の壁をしっかり奥で抑え込むようにします。臭い匂いのものを嗅いで、鼻をつまむときのつまみ方が適切な方法になります。

出てくる血液は口から吐き出し、飲み込まないようにしましょう。止血後は強く鼻をかまない触らないことが大切です。再開時は同様に圧迫し、20分以上止まらない、大量にのどへ流れる、などがあれば受診しましょう。

予防方法

鼻をかむ際は片側ずつ静かに行い、こする・ほじるといった刺激を避けます。アレルギー性鼻炎副鼻腔炎がある場合は、鼻炎治療で粘膜のコンディションを整えると再発予防に結びつきます。高血圧や抗凝固薬内服中の方は、主治医とともに全身管理を確認しておくと安心です。鼻腔の乾燥対策も有効です。

小児の鼻出血について

お子さまでは、鼻の前方の鼻中隔前部(キーゼルバッハ部位)からの出血がほとんどです。鼻いじりやこする癖乾燥、見過ごされがちな隠れ鼻炎が背景にあると、同じ場所がかさぶた→気になって触る→再出血という悪循環を繰り返します。

多くは短時間で止まる軽症例ですが、長時間続く、頻度が急に増えた、出血量が多いといった場合は、耳鼻咽喉科で出血点の確認局所ケアを行うと再発が減ります。当院では、保湿指導・鼻炎治療・生活上のクセの見直しをていねいにお伝えします。

Q&A

Q. どのくらい圧迫すればよいですか?

A. 連続して10〜15分が基本です。途中で離すと再出血しやすいため、時計を見ながらしっかり時間を保つことが大切です。止まらない時はさらに10分追加し、それでも改善しなければ受診の目安です。

Q. 首のうしろを冷やすと止まると聞きました。

A. まずは小鼻の圧迫を正確に行ってください。冷却は鼻背・頬・前頭部などの顔面側が理にかなっています。首のうしろだけでは十分な効果は期待しにく、いわゆる迷信といっても過言では有りません、首の後ろをトントンと叩くのも意味がありません。

Q. よく繰り返します。焼灼は必要でしょうか?

A. 保湿と刺激回避、鼻炎のコントロールで再発が減る場合が多く、焼灼は必須ではありません。明確な出血点があり再発頻度が高い場合に、局所電気凝固を検討します。

Q. いつ受診すべきですか?

A. 20分以上止まらない、大量出血、のどへ流れて吐き気が強いなどは受診のサインです。抗凝固薬内服高血圧がある場合、反復する小児の鼻血でも早めの相談をおすすめします。

まとめ

鼻出血の多くは前鼻出血で、正しい圧迫保湿・刺激回避で改善します。一方で、後鼻出血や長引く出血は専門的な止血が必要です。背景に鼻炎・乾燥・全身要因が隠れていないかを確認し、再発しやすい方には生活と粘膜の整えをセットで提案します。気になる症状が続く場合は、早めに耳鼻咽喉科でご相談ください。

記事監修

院長のプロフィール写真

Itsuki Kitayama

あわじ駅前クリニック 院長・医学博士

北山 一樹

医学博士(大阪大学)
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 認定専門医・指導医
日本アレルギー学会 認定専門医
日本喘息学会 認定専門医
日本音声言語医学会 音声言語認定医

大学病院・基幹病院にて小児から成人、一般的な耳鼻咽喉科疾患から悪性疾患まで幅広い診療を担当。外来・手術・研究の総合的な経験を有する。
音声の研究では、“粗ぞう性嗄声(ガラガラ声)”の音響学的なメカニズムとその発声機構を世界で初めて解明し、学術報告を行う。
また、難しくなりがちな医療情報をわかりやすく伝えることを目指し、医学専門デザイン事業STUDIO BIUMを運営。学会・医療機関のロゴ・配布資料・Webサイトなど、一貫した“わかりやすさ”を設計している。

学術実績など