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くびが痛い


くびが痛い(首の痛み)
朝起きたらくびが回らない、飲み込むと奥がズキッとする、いつの間にか左右どちらかが重く張る——くびの痛みは暮らしの中でとても身近ですが、原因は一つではありません。
皮膚・筋肉のトラブルから、リンパ節や甲状腺、唾液腺の炎症、さらにのどの奥(上咽頭・下咽頭・喉頭)の病気やくびのしこりまで、耳鼻咽喉科が診断・治療に力を発揮できる領域がたくさんあります。ここでは、受診の目安から検査・治療の流れまで、わかりやすくご案内します。
- くびが痛い(首の痛み)
- くびの痛みのとらえ方
- 受診の目安(早めの受診が安心なサイン)
- 当院で行う検査
- 問診・視診・触診
- 内視鏡検査(鼻から細径のファイバーで)
- 超音波検査(頸部エコー)
- 画像検査(CT・MRI)
- 主な原因と治療
- 急性咽頭炎・扁桃炎、リンパ節炎
- 甲状腺の炎症(亜急性甲状腺炎)
- 唾液腺炎・唾石症
- くびのしこり(頸部腫瘤)
- 筋筋膜性の痛み・寝違え
- Q&A
- Q. くびが痛いとき、耳鼻咽喉科と整形外科のどちらへ行けばよいですか?
- Q. 扁桃炎のあとからくびが強く痛み、口が開けづらいです。
- Q. しこりが気になります。痛くないのですが大丈夫でしょうか?
- Q. 帯状疱疹の前触れのようなピリピリ痛みは首でも起こりますか?
- まとめ(院長からのメッセージ)

くびの痛みのとらえ方
くびは、重い頭を支えながら多くの神経・血管・呼吸や飲み込みの通り道が集まる場所です。痛みの感じ方(表面がヒリヒリ、奥がズキズキ、飲み込みで増悪、振り向くと突っ張る、発熱や腫れを伴う など)や、部位(前・側・後ろ)によって原因の見当がつきます。
表面の痛み:皮膚炎、帯状疱疹の初期、外傷など
筋肉の痛み:長時間の同じ姿勢、枕が合わない、急な寝違え
前頸部の痛み:急性咽頭炎・扁桃炎、リンパ節炎、甲状腺の炎症(亜急性甲状腺炎)、唾液腺炎(顎の下)
飲み込みで強くなる痛み:咽頭・喉頭の急性炎症、扁桃周囲膿瘍
しこりを伴う痛み/無痛のしこり:炎症性腫脹、甲状腺結節・唾液腺腫瘍・頸部腫瘍 など
痛みが長引く、腫れが引かない、発熱が続く、飲み込みや呼吸に影響している——そんな時は耳鼻咽喉科への早急な受診をおすすめします。

受診の目安(早めの受診が安心なサイン)
高熱と強いのどの痛み、くびの腫れが目立つ
飲み込みで激痛が走る、口が開けづらい、よだれが出る(扁桃周囲膿瘍などを疑います)
呼吸がしにくい/声がれを伴う(急性喉頭蓋炎など気道の病気に注意)
固いしこりが数週間以上続く、増大している
甲状腺付近の前頸部痛が発熱や全身倦怠感とともに出現
迷ったら我慢せずご相談ください。

当院で行う検査
問診・視診・触診
症状の経過、発熱の有無、飲み込みや声の変化、痛む場所を丁寧にうかがい、表在から深部まで触れて腫れや圧痛、皮疹を確認します。リンパ節・唾液腺・甲状腺の腫れも評価します。
内視鏡検査(鼻から細径のファイバーで)
のどの奥(上咽頭~下咽頭、喉頭)を直接観察し、見逃しやすい炎症や膿の貯留、声帯の状態をチェックします。特に、飲み込みで痛むケースの原因検索や、腫瘍性疾患の除外に有用です。

超音波検査(頸部エコー)
甲状腺・唾液腺・リンパ節の腫れやしこりの性状を、放射線被ばくなく評価できます。
画像検査(CT・MRI)
深部膿瘍の疑い、腫瘍性病変の広がり評価など行います。
(MRI検査は、必要時は同ビル内の画像検診センターに紹介にて行います。)

主な原因と治療
急性咽頭炎・扁桃炎、リンパ節炎
細菌・ウイルスの感染でのどが腫れ、前頸部に痛みやリンパ節腫脹が出ます。解熱鎮痛薬、うがい、必要に応じ抗菌薬を用います。膿が溜まる扁桃周囲膿瘍は切開排膿や点滴入院が必要になることがあります。
甲状腺の炎症(亜急性甲状腺炎)
風邪後などに甲状腺が強く痛む疾患です。発熱・倦怠感を伴い、触ると前頸部がズキンとします。採血とエコーで診断し、消炎鎮痛薬やステロイドで改善します。
唾液腺炎・唾石症
耳下腺・顎下腺が痛み腫れます。水分摂取、唾液を出すケア、抗菌薬で改善することが多いですが、唾石が詰まると反復します。必要に応じて画像診断を行います。
くびのしこり(頸部腫瘤)
炎症性腫脹のほか、甲状腺・唾液腺の良性結節や腫瘍、頸部転移が隠れていることがあります。エコーで性状を見極め、必要に応じ専門施設へ連携します。
筋筋膜性の痛み・寝違え
長時間のデスクワークやスマホ姿勢、枕の高さ不適合などで筋肉が過緊張し、振り向きや寝返りで痛みます。温罨法、姿勢・枕の見直し、ストレッチやリハビリで改善が期待できます。整形外科的評価が必要な場合は連携します。

Q&A
Q. くびが痛いとき、耳鼻咽喉科と整形外科のどちらへ行けばよいですか?
A. 飲み込みや声の変化、発熱やくびの腫れ・しこりを伴う場合は耳鼻咽喉科が適しています。寝違えや手のしびれを伴う首~肩の運動痛が中心なら整形外科領域のことが多いです。当院では頸部エコーと内視鏡検査を中心に、のど・甲状腺・唾液腺・リンパ節を評価いたします。
Q. 扁桃炎のあとからくびが強く痛み、口が開けづらいです。
A. 扁桃周囲膿瘍の可能性があります。飲み込みで激痛、開口障害、よだれが出るときは早急に受診してください。切開排膿や抗菌薬の点滴が必要になることがあります。
Q. しこりが気になります。痛くないのですが大丈夫でしょうか?
A. 痛みがなくても数週間以上続くしこりは評価が必要です。頸部エコーで性状を確認し、必要に応じ画像検査や高次機能病院への紹介を検討します。早めに受診してください。
Q. 帯状疱疹の前触れのようなピリピリ痛みは首でも起こりますか?
A. はい。皮疹が出る前から神経痛のような痛みが出ることがあります。数日で赤い発疹や水ぶくれが現れたら帯状疱疹が疑われます。早期に受診すると抗ウイルス薬で経過を短くできます。

まとめ(院長からのメッセージ)
くびの痛みは、のどの炎症から甲状腺・唾液腺、くびのしこりまで幅広い原因が潜んでいます。
違和感の段階で相談いただければ、通院やお薬だけで整う不調も少なくありません。気になるくびの痛み、どうぞ遠慮なくご相談ください。
記事監修

Itsuki Kitayama
あわじ駅前クリニック 院長・医学博士
北山 一樹
医学博士(大阪大学)
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 認定専門医・指導医
日本アレルギー学会 認定専門医
日本喘息学会 認定専門医
日本音声言語医学会 音声言語認定医
大学病院・基幹病院にて小児から成人、一般的な耳鼻咽喉科疾患から悪性疾患まで幅広い診療を担当。外来・手術・研究の総合的な経験を有する。
音声の研究では、“粗ぞう性嗄声(ガラガラ声)”の音響学的なメカニズムとその発声機構を世界で初めて解明し、学術報告を行う。
また、難しくなりがちな医療情報をわかりやすく伝えることを目指し、医学専門デザイン事業STUDIO BIUMを運営。学会・医療機関のロゴ・配布資料・Webサイトなど、一貫した“わかりやすさ”を設計している。
学術実績など
