大阪あわじ駅前クリニック 耳鼻咽喉科・小児科

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繰り返す発熱

繰り返す発熱(子ども)

ある日の夕方。「またお熱です……」と心配そうに来院されたお母さん。お子さんは数週間前にも高熱、その前の月にも同じような熱がありました。保育園で風邪をもらってきたのかな――

たしかにウイルス性のかぜを繰り返す年齢はあります。ただ、周期的に似た症状を伴う発熱や、発疹・口内炎・関節痛が毎回セットのように出る場合は、風邪以外の病気が隠れていないかを一度ていねいに調べる必要があります。

どうして発熱を繰り返すの?

可能性として一番多いのは“風邪を繰り返している”ことです。集団生活では様々なウイルスに順番に出会うため、治っては別のかぜにかかることは全くもって珍しくありません。とくに集団保育したてのお子さんなどは、毎月の用に発熱してしまうことは非常に一般的にみられます。

一方で、周期性発熱症候群(PFAPAなど)、自己炎症性疾患、原発性免疫不全症といった病気が背景にあるケースもあり、発熱の頻度・周期・一緒に出る症状が見分けのヒントになります。

症状の特徴

風邪症候群の反復

一般的なウイルス感染です。症状はその都度少しずつ違い、発熱の間隔も不規則です。

扁桃炎の反復

溶連菌などが関与して扁桃摘出が役立つ場合もあります。目安として1〜2年で年4〜5回以上の発熱を繰り返す場合などは手術適応を相談します。

周期性発熱症候群(PFAPA)

数週ごとに高熱が数日続く口内炎・のどの痛み・首のリンパ節の腫れなど“毎回よく似たセット”で出やすいのが特徴です。発作の合間は元気なことが多く、成長に問題がないことも少なくありません。

原発性免疫不全症

重い感染を何度も起こしたり、体重の伸びが悪いなどのサインを伴うことがあります。

悪性疾患(白血病、リンパ腫など)

稀ですが、繰り返す発熱の背景に血液の病気が潜んでいることもあり、精密検査が必要です。

診断の流れ(当院でできること)

まずは問診で、発熱の回数・周期・持続日数、一緒に出る口内炎・発疹・関節痛・腹痛、家族歴、成長の様子を丁寧に伺います。診察では咽頭・扁桃、皮膚、リンパ節、胸腹部を総合的に確認します。

当院では必要に応じて血液検査(血算・CRPなど)尿検査、流行状況に合わせた迅速検査(溶連菌、インフルエンザ、RS、アデノ、COVID-19等)を行います。

画像検査や免疫の精密検査が必要と判断した場合は、基幹病院・大学病院の小児免疫/小児感染症/小児リウマチ科などと連携して評価を進めます。

おうちでできるケア

水分と休養を基本に、つらさが強いときはアセトアミノフェンなどを適切に使用します(ただし、根本的な解決にはならないため、発熱が続くからといって漫然と使い続けないことが大切です)。

食事は食べやすいものを少量ずつで構いません。ぐったり・尿が少ない・呼吸がつらいなどがあれば早めに受診してください。

治療の選択肢

診察や検査の結果、一般的な感染症の反復を疑う場合、それらの治療を行います。

周期性発熱症候群(PFAPA)では、発作時にステロイドが有効なことがあり、シメチジンロイコトリエン拮抗薬で発作の頻度を抑える戦略もあります。扁桃摘出が奏功する例も報告されています。お子さんの発作パターンと年齢、日常生活への影響を見ながら治療方針を決定します。

その他、自己炎症性疾患原発性免疫不全症などを疑う場合は、専門施設と連携して治療を行います。

受診の目安

月2回以上の発熱が続く」「毎回よく似た症状(口内炎・のどの痛み・リンパ節の腫れ発疹など)がセット」「同じ時期に周期的」――こんな特徴があれば、一度ご相談ください。

Q&A

Q. 毎回同じころ(例えば3週間おき)に高熱が出ます。風邪でしょうか?

A. 周期やセットで出てくる症状がはっきりしている場合、周期性発熱症候群(PFAPAなど)が疑われます。診断は“除外診断”が基本で、問診・診察に加えて血液炎症反応などを行います。

Q. 扁桃炎をしょっちゅう繰り返します。手術は必要?

A. 1〜2年に4〜5回以上の発熱を伴う扁桃炎が続く、重症化しやすい、治療に反応しにくい――こうした場合は扁桃摘出術を検討します。手術必要性や、口腔内評価などは、当院耳鼻咽喉科の受診で判断いたします。

Q. 重い感染を何度も起こします。免疫の病気が心配です。

A. 原発性免疫不全症は種類が多く、検査も段階的です。まずは一般的な血液検査から、必要に応じて免疫学的解析などを専門施設と連携して進めます。

まとめ(院長より)

小児の発熱は、その多くが風邪のような一般的なウイルス感染症で自然に良くなります。

一方で、周期症状の組み合わせが毎回似てくると、見逃したくない病気が潜んでいることがあります。

何度も繰り返す熱が心配」「これは風邪の続き?」――そんな時は、どうぞ遠慮なくご相談ください。

記事監修

院長のプロフィール写真

Itsuki Kitayama

大阪あわじ駅前クリニック 院長・医学博士

北山 一樹

医学博士(大阪大学)
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 認定専門医・指導医
日本アレルギー学会 認定専門医
日本喘息学会 認定専門医
日本音声言語医学会 音声言語認定医

大学病院・基幹病院にて小児から成人、一般的な耳鼻咽喉科疾患から悪性疾患まで幅広い診療を担当。外来・手術・研究の総合的な経験を有する。
音声の研究では、“粗ぞう性嗄声(ガラガラ声)”の音響学的なメカニズムとその発声機構を世界で初めて解明し、学術報告を行う。
また、難しくなりがちな医療情報をわかりやすく伝えることを目指し、医学専門デザイン事業STUDIO BIUMを運営。学会・医療機関のロゴ・配布資料・Webサイトなど、一貫した“わかりやすさ”を設計している。

学術実績など