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周期性発熱症候群(PFAPA)


周期性発熱症候群(PFAPA)とは
3〜4週間おきに高い熱を出し、そのたびにのどの強い痛みや口内炎、首のリンパ節の腫れがいっしょに現れるものの、数日でスッと良くなり、熱のない時期はケロッと元気に。風邪の感じとも少し違う……。
このような“パターンのある発熱”は、周期性発熱症候群(PFAPA)かもしれません。
PFAPAは、自己炎症(体内の炎症を制御する仕組みのアンバランス)が関与すると考えられている疾患です。
主に1〜4歳ごろに発症し、1回あたりの発作は3〜6日続くことが多いとされます。

典型的な症状
発熱の“予感”としてだるさや頭痛が出てきて、その後高熱が数日。咽頭扁桃炎(のどの強い炎症)がめだち、アフタ性口内炎が痛みを強めます。首のリンパ節はコリコリと腫れて触れることもあります。
発作が終わると何事もなかったように元気に戻り、食欲も睡眠も普段どおり——この“オン/オフのはっきりした経過”が、ふつうの風邪との大きな違いです。

鑑別(見分けるポイント)
一般的によく見られる、いわゆる“風邪の連続”は、症状や間隔が毎回ばらばらになりやすいのが一般的です。
一方、PFAPAは周期的で随伴症状(口内炎・咽頭扁桃炎・リンパ節腫大)がセットで繰り返すのが手がかりです。なお、発熱の背景に原発性免疫不全などが隠れていないかの確認も大切で、経過とともに診断が確定していく場合もあり、必要に応じて段階的に評価します。

診断の進め方(当院の流れ)
まずはくり返しの間隔・持続日数・いっしょに出る症状を丁寧にお聞きし、のど・口腔・リンパ節・皮膚の所見をしっかり診察します。
必要に応じて血液検査(炎症反応・血球)や迅速検査を行い、“除外診断”の考え方で進めます。発作時にステロイドを内服すると速やかに解熱しやすいこと自体が、診断の助けになることもあります。

治療の選択肢
発作時の副腎皮質ステロイドは解熱効果が高い一方、次の発作までの間隔が短くなることがあるため、発作の頻度・生活への影響を見ながら使い方を調整します。
シメチジン(H₂ブロッカー)やロイコトリエン拮抗薬、一部ではコルヒチンが有効だった報告もあります(適応・保険の扱いは個別に確認が必要です)。
内科的治療でコントロールが難しい場合に、扁桃摘出が選択肢となり、寛解率はおおむね70〜80%と報告されています。近年の系統的レビューでも手術群で再発の有意な減少が示されました。全身麻酔や術後出血などのリスクと、発作のつらさ/通園・通学への影響をご家族と相談しながら決めていきます。(難病情報センター)

予後(いつまで続くの?)
PFAPAは基本的に予後良好で、4〜8年ほどで自然寛解することが多いとされます。発達・成長に影響はないのが一般的です。
ただ、発作の発熱・痛み・欠席といった日常生活への負担は小さくありません。症状・年齢・家族のご事情に合わせて「待つ」か「治療を一歩進めるか」を一緒に考えていきます。

当院でできることと、耳鼻科とのワンストップ連携
当院では、問診・診察・必要最小限の採血/迅速検査を行い、過不足のない初期評価を心がけます。発作の頻度・生活への影響を踏まえ、ステロイドの適切な使い方を含めご説明いたします。
扁桃の評価や手術適応の検討が必要な場合は、当院耳鼻科と密に連携し、内科評価から内視鏡所見・手術相談までをワンストップで進められる体制を整えています。手術が必要と判断された際は、基幹病院へ紹介いたします。

よくある質問(Q&A)
Q. 「3〜4週間おき」に同じような高熱とのどの痛みが来ます。風邪の繰り返しでしょうか?
A. 周期・症状の“セット”が再現性高く出るのはPFAPAの典型です。まずは診察で扁桃・リンパ節・口内炎の所見を確認し、必要に応じて採血などを行います。発作時のステロイド内服で速やかに熱が下がることは診断のヒントにもなります。
Q. 扁桃摘出は本当に効きますか?手術は怖いです。
A. 手術は寛解率70〜80%とされ、系統的レビューでも再発を大きく減らす結果が示されています。ただし全身麻酔や術後出血などのリスクがあるため、当院耳鼻科で所見を確認し、手術のメリット・デメリットを丁寧にご説明します。(難病情報センター)
Q. いま困っているのは発熱時のつらさです。家庭でできる対処は?
A. 十分な水分と休養、つらい時はアセトアミノフェンの適切な使用をお願いいたします。受診の目安(ぐったり・呼吸が苦しい・尿が少ない等)をあらかじめ共有し、発作の間隔や症状の組み合わせを書き留めておきましょう。

まとめ(院長より)
小児の“繰り返す発熱”には、自然に良くなる“風邪の繰り返し”と、見極めが必要なPFAPAなど、その他の疾患が混在しています。
内科的治療から耳鼻科的評価/扁桃手術の適応判断まで、当院耳鼻科とワンストップで評価いたします。
「毎回同じパターン・症状で熱が出る」「原因が知りたい」——そんなときは遠慮なくご相談ください。
記事監修

Itsuki Kitayama
大阪あわじ駅前クリニック 院長・医学博士
北山 一樹
医学博士(大阪大学)
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 認定専門医・指導医
日本アレルギー学会 認定専門医
日本喘息学会 認定専門医
日本音声言語医学会 音声言語認定医
大学病院・基幹病院にて小児から成人、一般的な耳鼻咽喉科疾患から悪性疾患まで幅広い診療を担当。外来・手術・研究の総合的な経験を有する。
音声の研究では、“粗ぞう性嗄声(ガラガラ声)”の音響学的なメカニズムとその発声機構を世界で初めて解明し、学術報告を行う。
また、難しくなりがちな医療情報をわかりやすく伝えることを目指し、医学専門デザイン事業STUDIO BIUMを運営。学会・医療機関のロゴ・配布資料・Webサイトなど、一貫した“わかりやすさ”を設計している。
学術実績など





