あわじ駅前クリニック 耳鼻咽喉科・小児科

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持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD)

持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD)|“ふわふわ”“不安定”が続くめまい

PPPDとは

持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD)は、それ以前に起きた最初の急性めまい(例:BPPV・前庭神経炎・メニエール病など)をきっかけに、ふわふわとした浮動感・不安定感・非回転性めまいが3か月以上ほぼ毎日続く状態を指します。

症状は立位や歩行体の能動/受動の動き動く映像や複雑な模様などの視覚刺激で悪化します。

比較的最近になってから提唱された疾患概念であり、従来「原因不明」とされた一部がPPPDとして整理されました。 (J-STAGE)

症状

主症状はふわふわする浮動感不安定感非回転性のめまいで、立つ/歩く体を動かす/動かされるスクロール画面・大型店の陳列・動画などの視覚刺激で増悪します。

難聴や耳鳴りは伴わないことが多い一方、不安・集中しづらさ・疲労を伴い、生活・仕事の能率に影響することがあります。

原因・起こり方

PPPDは以前に起こったことのある急性めまい後の“過剰な代償(体がなんとか正常な状態に戻そうとすること)”や視覚・体性感覚への依存過多が続くことで、姿勢制御が過敏になったり視覚に過負荷がかかった状態と考えられています。

女性にやや多く平均年齢約50歳前後などの疫学的特徴が報告されています。

検査・診断

問診で誘発状況と持続期間を詳しく把握し、PPPD診断基準を満たすか評価します。

眼振検査(フレンツェル眼鏡)で他の末梢性めまいを除外し、必要に応じて聴力検査重心動揺検査画像検査を追加します。

PPPDに特異的な検査はなく他疾患で説明できないことの確認が重要です。

治療(当院の対応)

治療の三本柱は、①教育・説明(病態の理解)、②前庭リハビリテーション、③薬物療法(SSRI/SNRI等)です。

  • 薬物療法不安/抑うつの併存に対し、SSRI/SNRIなどの内服が有効との報告があります。

  • 前庭リハビリテーション:視覚刺激・体位変化に慣れる段階的エクササイズで、過敏化した姿勢制御を“調律”します。(当院では行っていません。)

  • 認知行動療法(CBT):症状への恐れ・回避行動を減らし、再獲得を後押しします。
    当院では誘発要因の整理日常での曝露計画併存症の評価を行います(当院では行っていません。)。必要に応じて心療内科/リハ専門と連携します。

生活上の工夫

急な頭位変化を避けつつ、過度な安静に偏らないのがポイントです。

長時間同一姿勢の回避スクロール/動画視聴の“休憩ルール”十分な睡眠・水分軽い有酸素運動が推奨されます。再発を恐れて完全回避に陥ると症状の固定化しやすくなってしまうため、“少し不快”の範囲で段階的に慣らしていくようにします


Q&A

Q. めまいは“回る”感じではなく、ふわふわが続きます。PPPDでしょうか?

A. 回転性でない浮動感・不安定感が3か月以上続き、立位/体動/視覚刺激で悪化するならPPPDを疑います。BPPVやメニエール病、中枢性めまいの除外を行った上で診断します。

Q. 仕事や画面作業で悪化します。どう付き合えば?

A. 画面距離・明るさ・文字サイズを調整し、20〜30分ごとに休憩して視線を遠くへ向けることが推奨されていますスクロールはゆっくり複雑な背景のページは段階的曝露で慣らしましょう。


まとめ

PPPDは、急性めまいの後に続く“ふわふわ・不安定”を主体とする慢性のめまいです。

症状は立位や歩行、体の能動/受動の動き、動く映像や複雑な模様などの視覚刺激で悪化する特徴があります。

長引くめまい感でお困りのかたはご相談ください。

記事監修

院長のプロフィール写真

Itsuki Kitayama

あわじ駅前クリニック 院長・医学博士

北山 一樹

医学博士(大阪大学)
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 認定専門医・指導医
日本アレルギー学会 認定専門医
日本喘息学会 認定専門医
日本音声言語医学会 音声言語認定医

大学病院・基幹病院にて小児から成人、一般的な耳鼻咽喉科疾患から悪性疾患まで幅広い診療を担当。外来・手術・研究の総合的な経験を有する。
音声の研究では、“粗ぞう性嗄声(ガラガラ声)”の音響学的なメカニズムとその発声機構を世界で初めて解明し、学術報告を行う。
また、難しくなりがちな医療情報をわかりやすく伝えることを目指し、医学専門デザイン事業STUDIO BIUMを運営。学会・医療機関のロゴ・配布資料・Webサイトなど、一貫した“わかりやすさ”を設計している。

学術実績など