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鼻水が出る

- 鼻水が出る|「サラサラ」と「ドロッ」の違いから、受診の目安まで
- 鼻水のタイプとよくある原因
- サラサラの鼻水(水様性鼻漏)
- ドロッとした黄色〜緑色の鼻水(膿性鼻漏)
- 鼻がのどに流れる「後鼻漏(こうびろう)」
- 当院で行う検査
- 視診・内視鏡
- 画像検査・機能検査
- アレルギー検査
- 治療の基本
- 内服・点鼻治療
- 鼻洗浄(鼻うがい)
- 手術的治療が必要な場合
- 受診の目安
- 早めの受診が望ましいサイン
- Q&A
- Q. 透明な鼻水が止まりません。かぜとアレルギー、どう見分けますか?
- Q. 点鼻薬がツンとします。刺激の少ないものはありますか?
- Q. 鼻うがいは安全ですか?しみて苦手です。
- Q. 市販の点鼻薬で一時的に楽になります。続けても大丈夫?
- Q. のどに鼻水がダラダラ垂れて咳が出ます。後鼻漏は治りますか?
- まとめ(院長からのメッセージ)

鼻水が出る|「サラサラ」と「ドロッ」の違いから、受診の目安まで
鼻水は、体が外から入ってきた刺激や病原体から身を守るために作る大切な分泌液です。とはいえ、止まらない鼻水やのどへ垂れてくる不快感が続くと、睡眠・仕事・学業に影響が出ます。
ここでは水のようにサラサラした鼻水と、黄色〜緑色でドロッとした鼻水の違い、のどへ流れ込む後鼻漏、受診のタイミング、当院でできる検査と治療まで、分かりやすくご説明します。

鼻水のタイプとよくある原因
サラサラの鼻水(水様性鼻漏)
透明で水のような鼻水は、かぜ(ウイルス性鼻炎)やアレルギー性鼻炎で多く見られます。かぜでは倦怠感やのどの痛み、咳が同時に出ることが多く、数日〜1週間ほどで軽快します。アレルギー性鼻炎ではくしゃみ、鼻づまり、目のかゆみを伴い、季節(スギ・ヒノキなど)や通年(ダニ・ハウスダスト)で繰り返すのが特徴です。
自律神経の反応が主体の血管運動性鼻炎でも、刺激(冷気・香料・辛いもの・気圧差など)で水様の鼻水が出ることがあります。
ドロッとした黄色〜緑色の鼻水(膿性鼻漏)
ねばつく色付きの鼻水は、細菌がからんだ炎症を示唆します。とくに副鼻腔炎(蓄膿症)では、頬や眉間の重だるさ、口臭、咳(夜や朝方に増える)を伴うことがあります。
乳幼児では片側だけから臭い鼻水が続くと、鼻の異物が隠れていることも。無理に取ろうとせず受診してください。
※鼻の色や粘性で、必ずしもアレルギー/細菌感染を明確に分類できるものではありません。実際のどちらの可能性が高いかは、鼻の中のを実際に観察することや、その他の検査結果を踏まえて判断されます。

鼻がのどに流れる「後鼻漏(こうびろう)」
私たちの鼻と副鼻腔では、1日あたり約1~1.5リットルの透明な分泌液が作られています。これはほこりや細菌を洗い流すための防御機構で、ほとんどは無意識にのどへ流れ、飲み込まれていきます。したがって、少量がのど側へ常に流れている状態は正常です。
生理的な後鼻漏のめやすとしては、色は無色~薄い白色でサラサラ、においがない、強い咳や息苦しさを伴わないことが挙げられます。朝起き抜けや乾燥・寒冷時、運動後、長時間の会話のあとにやや増えて自覚しやすくなるのもよくあることです。花粉の多い日や空調で乾いた室内では一時的に粘りが増すことがありますが、水分摂取や加湿で軽くなる程度なら生理的範囲に入ります。
一方で、黄色~緑色で粘りが強い・悪臭がする・量が多くて頻繁にのどへ張りつく・咳や痰が続く・声がれや胸やけを伴うといった場合は、副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎、上咽頭炎などの病気が隠れていることがあります。
鼻鏡や細径の内視鏡を用いて鼻の奥まで観察し、必要に応じてCT画像検査で原因部位を突き止めます。

当院で行う検査
視診・内視鏡
症状の経過、季節性、片側/両側、においの有無を詳しく伺い、鼻鏡や細径内視鏡で鼻腔〜上咽頭まで丁寧に観察します。
画像検査・機能検査
副鼻腔炎が疑わしければ副鼻腔CTで粘膜の腫れや膿の貯留の程度・範囲を評価します。
アレルギー検査
指先から行える微量採血で、41種類の原因アレルゲンを特定します。

治療の基本
内服・点鼻治療
原因に合わせて抗ヒスタミン薬、抗ロイコトリエン薬、ステロイド点鼻などを組み合わせます。副鼻腔炎では状況に応じて抗菌薬や去痰薬、ネブライザー治療を行います。血管収縮薬入りの市販点鼻薬は短期の頓用にとどめ、長期連用は避けましょう(難治性の薬剤性鼻炎の原因になります)。
鼻洗浄(鼻うがい)
生理食塩水で粘液・アレルゲンを洗い流すことで後鼻漏や鼻閉を軽減します。
手術的治療が必要な場合
鼻茸(ポリープ)、鼻中隔弯曲症、慢性副鼻腔炎の難治例では、内視鏡下手術や鼻中隔矯正術、下鼻甲介手術等を検討します。お子さまではアデノイド肥大が後鼻漏や鼻づまりの一因で、耳の病気(中耳炎)に波及することもあるため、必要性に応じて内視鏡で評価し適切に対応します。

受診の目安
早めの受診が望ましいサイン
高熱や強い顔面痛・頭痛を伴う、悪臭のある片側性鼻水が続く、黄色/緑色の鼻水が改善しない、夜間のせき込みが続く、眠れないほどの鼻づまり、繰り返す副鼻腔炎や中耳炎、お子さまで授乳・睡眠に支障が出ている——こうした場合は耳鼻咽喉科での評価をおすすめします。

Q&A
Q. 透明な鼻水が止まりません。かぜとアレルギー、どう見分けますか?
A. かぜは発熱・だるさ・のど痛が同時に出て数日で改善することが多い一方、アレルギーはくしゃみ連発・目のかゆみを伴い、季節や環境で繰り返します。受診時に鼻粘膜所見と問診、必要に応じ検査で鑑別します。
Q. 点鼻薬がツンとします。刺激の少ないものはありますか?
A. あります。個人差はありますが、アラミスト点鼻薬は霧が非常に細かく、鼻粘膜への当たりがやわらかいため、しみ感が出にくい傾向があります。
ナゾネックスも多くの方に使いやすい一方、噴霧が粘膜に直撃すると「ツン」とすることがあります。
エリザス(粉末)はさらに刺激が少ないですが、いわゆる「差している感」が無いため、ご高齢の方などはご使用の際に混乱される場合があります。
Q. 鼻うがいは安全ですか?しみて苦手です。
A. 0.9%の食塩水を人肌に温めて、勢いをつけずに行えば安全性は高いです。真水はしみるので避けましょう。
Q. 市販の点鼻薬で一時的に楽になります。続けても大丈夫?
A. 血管収縮薬(オキシメタゾリン、トラマゾリン、フェニレフリン など)の長期連用は難治性薬剤性鼻炎(逆に鼻が詰まってしまう状態)の原因になります。計画的に中止し、ステロイド点鼻や抗アレルギー薬へ切り替えます。当院で安全な切り替え方をご提案します。
Q. のどに鼻水がダラダラ垂れて咳が出ます。後鼻漏は治りますか?
A. 原因(副鼻腔炎、上咽頭炎)に合わせて抗生剤などの抗炎症治療や鼻洗浄を行うと改善が期待できます。慢性化例では画像を含めた精査で根本原因にアプローチします。

まとめ(院長からのメッセージ)
鼻水や後鼻漏は「よくある症状」ですが、背景はアレルギー、感染、生理的な鼻水まで多岐にわたります。
基幹病院で数多くの鼻副鼻腔・アレルギー疾患に関わってきた経験を元に、内視鏡による丁寧な診察と、画像検査、アレルギー検査などを組み合わせ、効果的な治療法をご提案します。
つらい鼻水やのどの違和感で生活の質が落ちていると感じたら、どうぞお気軽にご相談ください。毎日を少しでも楽に、快適に過ごせるようお手伝いします。
記事監修

Itsuki Kitayama
あわじ駅前クリニック 院長・医学博士
北山 一樹
医学博士(大阪大学)
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 認定専門医・指導医
日本アレルギー学会 認定専門医
日本喘息学会 認定専門医
日本音声言語医学会 音声言語認定医
大学病院・基幹病院にて小児から成人、一般的な耳鼻咽喉科疾患から悪性疾患まで幅広い診療を担当。外来・手術・研究の総合的な経験を有する。
音声の研究では、“粗ぞう性嗄声(ガラガラ声)”の音響学的なメカニズムとその発声機構を世界で初めて解明し、学術報告を行う。
また、難しくなりがちな医療情報をわかりやすく伝えることを目指し、医学専門デザイン事業STUDIO BIUMを運営。学会・医療機関のロゴ・配布資料・Webサイトなど、一貫した“わかりやすさ”を設計している。
学術実績など
