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鼻がつまる


鼻がつまる|「息がしにくい」を放っておかないために

鼻づまりとは
鼻づまりは、鼻の粘膜が腫れたり、鼻の中に鼻汁(ねばい鼻みず)や鼻茸(はなたけ/ポリープ)ができたりして、空気の通り道が狭くなる状態です。においが分かりにくい、口呼吸になってのどが乾く・いびきが増える・寝付きが悪いなど、生活の質に直結します。
小児では学習や成長にも影響が出ることがあります。

主な原因
かぜに伴う急性鼻炎
ウイルス性の炎症で粘膜がむくみ、一時的な強い鼻づまりが起こります。通常は数日〜1週間で改善しますが、長引く黄色い鼻汁やほほ・おでこの痛みが出たら副鼻腔炎への移行を疑います。
アレルギー性鼻炎(花粉症・通年性)
アレルゲンでくしゃみ・水様性鼻汁・鼻閉が出ます。粘膜が慢性的に腫れると「鼻閉」が続き、嗅覚低下や睡眠の質の低下を招きます。
急性・慢性副鼻腔炎(蓄膿症)
鼻の奥(副鼻腔)に炎症が広がり、ねばい鼻汁・後鼻漏(のどに垂れる)・頭重感を伴います。慢性化すると鼻茸ができて通り道をふさぐこともあります。
鼻茸(鼻ポリープ)
慢性炎症でできるやわらかい“できもの”です。胃などにできるポリープとは異なり、癌のリスクなどはありません。においが急に分かりにくくなる、いつも詰まる——といった訴えで見つかります。内視鏡で確認し、ステロイド点鼻薬などの薬で小さくするか内視鏡手術で治療します。
鼻中隔弯曲症(びちゅうかくわんきょくしょう)
鼻を左右に隔てるしきりの曲がりが強いと、片側だけ常に詰まる原因になります。成長の段階でもともと曲がっている人が殆どですが、過去の鼻の外傷などで曲がってしまっている人もいます。鼻中隔矯正術で改善が見込めます。
アデノイド(小児)
鼻の後ろ(上咽頭)のリンパ組織が大きいと、鼻呼吸が妨げられます。いびき、口呼吸、睡眠の質低下、滲出性中耳炎の原因になることもあります。小児に多く、成長と共にアデノイドは縮小していきます。
点鼻薬の使いすぎ(薬剤性鼻炎)
市販の血管収縮薬入り点鼻の長期連用は、比較的スパッと効果が現れるため連投しがちです。しかし、血管収縮薬入の点鼻薬を継続して用いていると、リバウンドで鼻の粘膜が腫れてしまい、余計に鼻がつまる「薬剤性鼻炎」原因になります。薬剤性鼻炎は一般的に難治性であるため、自己判断での継続使用は避け、計画的に中止・切替をしましょう。切替のタイミングや代替薬などご相談させていただきます。
以下の成分が含まれる点鼻薬は症状が強いときの短期間での使用に留め、連日投与を行わないようにしましょう。
オキシメタゾリン塩酸塩
トラマゾリン塩酸塩
フェニレフリン塩酸塩

治療(原因に合わせて選びます)
薬物療法
ステロイド点鼻薬:粘膜の炎症とむくみを根本から抑える治療法です(毎日継続がコツ)
抗ヒスタミン薬・抗ロイコトリエン薬:アレルギー性鼻炎の症状をコントロールします
抗菌薬:副鼻腔炎などで必要なときに限定使用します
ネブライザー:微細な霧で薬を鼻の奥まで届ける治療方です
血管収縮薬点鼻:短期レスキュー用(連用することで、難治性の薬剤性鼻炎の原因となります)
手術療法(構造的な原因に)
鼻中隔矯正術、下鼻甲介手術(粘膜焼灼・切除)、内視鏡下副鼻腔手術(ESS)、鼻茸切除、小児では状況に応じアデノイド切除。

ご自宅でのケアと注意
鼻洗浄(鼻うがい):人肌・0.9%食塩水で優しく洗浄します。真水はツーンとしみますので推奨されません
加湿・保温:寝室の湿度40〜60%、就寝前の蒸しタオルも有効です
点鼻は正しく:ステロイド点鼻は毎日、血管収縮薬は短期のみの使用に留めます
口呼吸を避ける工夫:枕を少し高く、横向き寝で楽な側を上にして寝ると効果的です
アレルゲン対策:花粉時期のマスク・洗濯物の工夫、ダニ対策も効果的です

Q&A
Q. 今すぐ鼻を通したいです。安全な“即効策”はありますか?
A. 蒸しタオル+ステロイド点鼻は継続しつつ、血管収縮点鼻を頓用で用いるのが基本となります。就寝前は加湿・上体をやや高くし、人肌の鼻洗浄も即効性があります。
Q. 点鼻ステロイド薬は長く使っても大丈夫ですか?
A. 鼻の中で局所的に作用し、全身への副作用は非常に少ない安全なお薬です。アレルギー性鼻炎の初期治療としてもガイドラインで推奨されています。毎日コツコツ使うほど効果が出るため、自己中断せず継続がおすすめです。
Q. 市販の点鼻(血管収縮薬)でしか楽になりません。
A. 連用は難治性の薬剤性鼻炎の原因になります。いずれは計画的に卒業する必要があります。医師とステロイド点鼻や内服へ切り替え、ネブライザーや手術選択肢を含めて調整しましょう。
Q. 子どもの口呼吸・いびきが心配です。
A. アデノイド肥大やアレルギーのことがあります。内視鏡での確認と適切な治療で睡眠の質が改善します。

まとめ(院長メッセージ)
鼻づまりは「よくある症状」ですが、原因は人それぞれです。
基幹病院アレルギーから難治性副鼻腔炎、手術治療まで幅広く診療してきた経験をもとに、内視鏡検査・CT検査などで原因を見極め、薬・ネブライザー・生活ケアから内視鏡手術の適応判断まで、鼻通りのスッキリとした毎日を取り戻すお手伝いをします。
つらい鼻づまりがあれば、我慢せずお気軽にご相談ください。
記事監修

Itsuki Kitayama
大阪あわじ駅前クリニック 院長・医学博士
北山 一樹
医学博士(大阪大学)
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 認定専門医・指導医
日本アレルギー学会 認定専門医
日本喘息学会 認定専門医
日本音声言語医学会 音声言語認定医
大学病院・基幹病院にて小児から成人、一般的な耳鼻咽喉科疾患から悪性疾患まで幅広い診療を担当。外来・手術・研究の総合的な経験を有する。
音声の研究では、“粗ぞう性嗄声(ガラガラ声)”の音響学的なメカニズムとその発声機構を世界で初めて解明し、学術報告を行う。
また、難しくなりがちな医療情報をわかりやすく伝えることを目指し、医学専門デザイン事業STUDIO BIUMを運営。学会・医療機関のロゴ・配布資料・Webサイトなど、一貫した“わかりやすさ”を設計している。
学術実績など
