あわじ駅前クリニック 耳鼻咽喉科・小児科

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手足口病

手足口病(てあしくちびょう)

手足口病とは

手足口病は、いわゆる夏かぜの一種で、乳幼児に多いウイルス感染症です。春から夏にかけて流行しやすい一方、季節外れにみられる年もあります。

手のひら・足の裏・口の中(のど)に小さな発疹や水疱が出て、のどの痛みや発熱を伴うことがあります。

原因(どんなウイルス?)

原因はエンテロウイルスのグループで、コクサッキーウイルスA16エンテロウイルス71など複数の型が関わります。

唾液や鼻水などの飛沫、便や手指・物品を介した接触でうつります。発疹が治まった後も、便からしばらくウイルスが出続けることがあるため、手洗いがとても大切です。

症状の特徴

初期は発熱のどの痛み、続いて口内炎のような発疹が口の奥に出ます。

手のひら・足の裏・指先・膝・おしり・口周りに1〜3mm程度のプツプツが現れることがあります。咳や鼻水は出ることもありますが、のどの痛みや発疹の方がより目立ちます。

小さなお子さまでは、食欲低下飲みにくそうにする様子がサインになります。

発疹は発熱から1〜2日遅れて出ることもあり、受診のタイミングによっては診断がつきにくいことがあります。

検査・診断

多くは問診と診察で診断できます。

典型例では検査を行わずに経過観察とすることが一般的です。

治療

原因ウイルスに対する特効薬はありません

アセトアミノフェンなどで発熱や痛みを和らげ、水分と栄養を保つことが治療の中心です。のどや口の痛みが強いときは、刺激の少ない常温の飲み物・食べ物が向いています。ゼリーやスープも冷たすぎず熱すぎない温度がおすすめです。どうしても水分がとれず尿が少ないときは、点滴での補液を検討します。

ご家庭でのケア

食事はやわらかく飲み込みやすいものを少量ずつ摂取してください。入浴は元気があれば可能です。口の痛みが強い時期は歯磨きの刺激を最小限にし、こまめなうがいや口ゆすぎで清潔を保ちます。

発疹は自然に治るため、つぶさない・こすらないことが大切です。

登園・登校の目安

多くの自治体・園では、全身状態が良く、食事・睡眠がとれていれば登園可能としています。ただし、園や学校の規定がある場合はそちら従ってください。

医師の意見書や治癒証明が必要な場合には対応します。

予防

石けんと流水での手洗いが最重要です。

アルコール消毒は効果が弱いため、まず手洗いを優先します。トイレ後やおむつ交換の後、食事前、帰宅時に30秒以上を目安に。タオルや食器の共有は避け、おむつは速やかに密閉廃棄しましょう。咳・くしゃみはティッシュや肘内側で覆います。

似ている病気との違い

ヘルパンギーナは口の奥ののどに限局した水疱・潰瘍が主体となります。

溶連菌感染症高熱と喉の強い痛み苺舌体の細かい発疹が特徴で、抗菌薬でのしっかりとした治療が必要です。

合併症と注意サイン

まれに脱水けいれん無菌性髄膜炎・脳炎などを合併することがあります。

息苦しさ、意識がぼんやり、尿が極端に少ない、ぐったりして水分もとれないなどのサインがあれば、早急に救急病院などを受診してください。

回復後数週間で爪がはがれる(爪甲脱落)ことがありますが、多くは自然に新しい爪が再生します。

当院でできること

小児科・耳鼻咽喉科・小児耳鼻咽喉科との連携で、のど・鼻の痛みへの対症療法脱水の評価と必要に応じた点滴加療、園や学校提出用の意見書・登園可否の相談に対応します。

ご家庭での食事・水分摂取の具体的な工夫や、兄弟・家族への感染対策も個別にお伝えします。

Q&A

Q. 発熱が下がらず食べられません。受診の目安は?

A. ぐったり・水分がとれない・尿が少ないは受診のサインです。発熱が3日以上続く、口の痛みで水分がほとんど入らない場合もご相談ください。

Q. きょうだいにうつりますか?家で何をすれば良いですか?

A. うつる可能性があります。手洗いの共同徹底、タオルや食器の共用を避ける、トイレ後やおむつ交換後は石けんでしっかり洗いましょう。便からはしばらくウイルス排出が続くため、数週間は手洗いをしっかりと意識してください。

Q. 登園・登校はいつからできますか?

A. 全身状態が良く、普段どおり過ごせることが目安です。園・学校のルールに従い、必要に応じて意見書をお書きします。

Q. 薬は必要ですか?

A. 抗菌薬は不要です。解熱鎮痛薬(アセトアミノフェン等)で痛み・熱を和らげます。水分や栄養が全くとれない場合は点滴を検討します。

Q. 発疹はいつまで続きますか?跡は残りますか?

A. 多くは7〜10日程度で軽快します。かき壊さなければ跡は残りにくいです。無理につぶさないでください。

まとめ

手足口病は乳幼児に多いウイルス感染症で、発疹とのどの痛み・発熱が主な症状です。治療は対症療法が中心で、手洗いによる予防が最も重要です。

水分がとれない・尿が少ない・ぐったりなどのサインがあれば、早めに受診してください。

記事監修

院長のプロフィール写真

Itsuki Kitayama

あわじ駅前クリニック 院長・医学博士

北山 一樹

医学博士(大阪大学)
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 認定専門医・指導医
日本アレルギー学会 認定専門医
日本喘息学会 認定専門医
日本音声言語医学会 音声言語認定医

大学病院・基幹病院にて小児から成人、一般的な耳鼻咽喉科疾患から悪性疾患まで幅広い診療を担当。外来・手術・研究の総合的な経験を有する。
音声の研究では、“粗ぞう性嗄声(ガラガラ声)”の音響学的なメカニズムとその発声機構を世界で初めて解明し、学術報告を行う。
また、難しくなりがちな医療情報をわかりやすく伝えることを目指し、医学専門デザイン事業STUDIO BIUMを運営。学会・医療機関のロゴ・配布資料・Webサイトなど、一貫した“わかりやすさ”を設計している。

学術実績など