あわじ駅前クリニック 耳鼻咽喉科・小児科

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扁桃炎

扁桃炎の原因から治療まで

朝起きたらのどが焼けるように痛い、食べ物や水さえのみ込みにくい。体はだるく、熱も上がってきた――。そんなときに疑われる病気の一つが扁桃炎です。

のどの奥、左右にある口蓋扁桃ウイルス細菌が感染して炎症を起こし、赤く腫れて強い痛みや発熱が出ます。子どもに多い印象がありますが、疲れやストレスで免疫が下がった大人にも少なくありません。

こじらせると周囲に膿がたまる扁桃周囲膿瘍に進展して入院や外科的処置が必要になることもあるため、早めの受診が大切です。

扁桃炎とは

扁桃(扁桃腺)は、口から入る病原体に最前線で向き合う免疫の砦です。ふだんは体を守ってくれますが、免疫力が落ちた時強い病原体に出会った時には、逆に扁桃が炎症の場となり、強いのどの痛み発熱を引き起こします。

炎症が強いと扁桃の表面に白い膿の付着が見えることもあります。子どもは免疫機能が発達途中のため発症しやすく、大人でも過労・睡眠不足・喫煙・飲酒などが扁桃炎の引き金になります。

扁桃炎の種類

急性扁桃炎はある日を境にぐっと悪化し、38〜40℃の発熱飲み込むたびに走る鋭い痛みが特徴です。

何度も繰り返すうちに炎症が定着した状態を慢性扁桃炎と呼び、のどの違和感口臭微熱が続くことがあります。

急性扁桃炎を年に何度も繰り返す反復性扁桃炎や、扁桃が体の別の部位の炎症を引き起こす扁桃病巣感染(例:IgA腎症、掌蹠膿疱症)では、専門的な評価が必要です。

さらに、扁桃炎が悪化すると、扁桃の外側に膿がたまる扁桃周囲膿瘍を生じることがあります。扁桃周囲膿瘍では抗菌薬が膿瘍内まで届きにくく穿刺や切開による排膿を行わないと病変が進行しやすい状態になります。

症状(急性と慢性)

急性では、つばを飲むだけで飛び上がるようなのどの痛み高熱全身のだるさが目立ちます。ときに耳への響く痛み首のリンパ節の腫れも伴います。

慢性では痛みは軽くても、イガイガ感が長引き、扁桃表面に膿栓が溜まると口臭が強くなることがあります。

子どもでは痛みのために水分が取れず脱水になることがあるため、早めの受診が安心です。

原因と感染経路

原因はウイルス(ライノ、アデノ、EBなど)と細菌(溶連菌、ブドウ球菌、肺炎球菌、インフルエンザ菌など)。多くは飛沫感染接触感染で広がります。

溶連菌による扁桃炎はいちご舌発疹を伴うことがあり、治療を中途でやめるとリウマチ熱急性糸球体腎炎といった合併症の引き金になるため、最後まで薬を飲み切ることが重要です。

発症を助長する要因としてストレス、睡眠不足、喫煙、乾燥なども挙げられます。

検査と診断

まずは症状を丁寧に伺い、口の中を観察して扁桃の腫れや膿の付着を評価します。痛みが強いときは細径内視鏡でのどの奥の状態をやさしく確認します。

見た目だけでは、ウイルス性なのか、細菌性なのかの判断に難渋することがほとんどです。細菌感染で代表的な溶連菌の迅速検査は数分で結果がわかります。必要に応じて血液検査細菌培養も行います。

長引く発熱や飲み込み障害が強いとき、口が開きにくいときは扁桃周囲膿瘍の可能性も考え、早期に治療方針を決めます。

治療(薬物療法と外科的治療)

ウイルス性では解熱鎮痛薬うがい薬などの対症療法が中心となります。

細菌性では抗菌薬+対症療法を組み合わせます。抗菌薬は症状が軽くなっても医師の指示通りに飲み切ることが大切です。

炎症が進み扁桃周囲膿瘍ができた場合は、膿を出す穿刺・切開が必要になります。切開排膿や点滴などでの入院が必要と判断された際は連携病院へご紹介します。

年に3〜4回以上の反復、点滴を要する重症化、病巣感染が疑われる場合は手術による根治を検討します。

Q&A

Q. 扁桃炎は他人にうつりますか?

A. うつる可能性があります。特に溶連菌飛沫・接触で広がります。抗菌薬を開始して24時間程度経ち、熱が下がって体調が安定していれば、登校・出勤を再開できることが多いです。家族内ではタオルの共用を避け、手洗い・換気を心がけましょう。

Q. 予防するにはどうしたらいいですか?

A. こまめな手洗い十分な睡眠・栄養が基本です。のどの乾燥は炎症の助長因子になるため、室内湿度40〜70%を目安にします。禁煙も重要です。溶連菌にワクチンはありませんが、日々の体調管理で発症リスクを下げられます。

Q. 固形物がのどを通りません。どう食べればいい?

A. おかゆ、茶碗蒸し、プリン、豆腐、ゼリー飲料などのどごしの良い食事を少量ずつ。冷たいアイススポーツドリンクも痛みをやわらげながら水分補給に役立ちます。全く飲食がとれない時は扁桃周囲膿瘍などの危険な炎症に進んでいる可能性があります。早急な受診をおすすめします。

Q. どんなときに受診を急ぐべき?

A. 高熱に加えて強い飲み込み痛口が開きにくいよだれが多い片側だけの激痛声がこもるなどは扁桃周囲膿瘍を疑います。早急に耳鼻咽喉科を受診してください

まとめ(院長メッセージ)

扁桃炎は正しい診断と最適なタイミングの治療で、しっかり良くなります。当院では細径内視鏡でのどの奥を丁寧に確認し、溶連菌迅速検査を含む必要な検査をその場で実施します。薬で治るケースが多い一方、扁桃周囲膿瘍など重い状態は見逃さないことが大切です。

のどの不調でお困りの際は、どうぞ遠慮なくご相談ください。

記事監修

院長のプロフィール写真

Itsuki Kitayama

あわじ駅前クリニック 院長・医学博士

北山 一樹

医学博士(大阪大学)
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 認定専門医・指導医
日本アレルギー学会 認定専門医
日本喘息学会 認定専門医
日本音声言語医学会 音声言語認定医

大学病院・基幹病院にて小児から成人、一般的な耳鼻咽喉科疾患から悪性疾患まで幅広い診療を担当。外来・手術・研究の総合的な経験を有する。
音声の研究では、“粗ぞう性嗄声(ガラガラ声)”の音響学的なメカニズムとその発声機構を世界で初めて解明し、学術報告を行う。
また、難しくなりがちな医療情報をわかりやすく伝えることを目指し、医学専門デザイン事業STUDIO BIUMを運営。学会・医療機関のロゴ・配布資料・Webサイトなど、一貫した“わかりやすさ”を設計している。

学術実績など