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声帯ポリープ・声帯結節


声がれ・声帯の病気(声帯結節・ポリープ・嚢胞)
朝、あいさつをしただけで声がかすれる、歌うと高い音が出にくい、夕方には声が続かない。そんなとき、のどの奥にある声帯で小さな変化が起きていることがあります。
代表的なものが声帯結節、声帯ポリープ、声帯嚢胞です。当院では、細径の内視鏡を用いた評価と声の衛生指導・リハビリを基本に、必要時は専門施設と連携して手術治療までご案内します。

声帯と“声がれ”の関係
声は、肺から出る空気が声帯をふるわせて生まれます。声帯の表面がむくんだり、小さなこぶや袋状のふくらみができると、振動が乱れてかすれ声(嗄声)になります。無理な発声、長時間の声の使い過ぎ、乾燥、逆流(胃酸がのどに上がる)などが誘因になります。


症状の特徴
最初は声がれや声の出しにくさ。進むと、高音が出ない、声量が落ちる、長く話すと疲れる、歌や仕事のパフォーマンスが維持できないといった訴えが増えます。風邪や過労のあとに悪化しやすく、話す・歌う仕事の方、教員・コールセンター・保育士・合唱・配信活動など声の酷使がある方で目立ちます。

主な病気
声帯結節
両側の声帯の同じ位置にタコのような小さな結節ができ、長期の声の酷使で生じます。
声の衛生指導と音声治療(リハビリ)が第一選択で、手術をせずに改善する場合もあります。必要に応じて短期の薬物(ステロイド吸入など)を併用することもあります。
声帯ポリープ
片側の声帯にできる赤い水ぶくれのような病変で、「一度の強い発声(叫ぶ・咳込み)」や慢性的な負担で生じます。保存的治療(声の衛生・安静・炎症のコントロール)で消退する例もありますが、長引く・大きい・仕事上早期回復が必要な場合は顕微鏡手術で摘出します。
声帯嚢胞
声帯の中に袋状(嚢胞)のふくらみができ、粘膜の波打ち(粘膜波動)が妨げられます。自然に消えることは少なく、顕微鏡手術で嚢胞壁を損傷しないよう丁寧に摘出します。声帯嚢胞にはいくつかのタイプがあり、扱い方が異なるため、専門的評価が重要です。

診断の流れ
まずは問診で声の使い方・職業・発症のきっかけを伺い、細径内視鏡で病変の有無を観察します。
胃酸逆流が疑われるときは生活指導や薬物での管理も併用します。評価結果にもとづき、音声治療・衛生指導・薬物・手術の選択肢を検討します。

治療:まずは“声のリハビリ”から
治療の基本は、声の衛生指導(発声時間・強度の管理、逆流対策など)と、音声治療(呼吸・発声・共鳴を整える訓練)です。これらは声帯の振動を最適化し、再発予防にも役立ちます。
炎症が強い急性期や舞台・本番を控える場合に短期のステロイドを用いることがあります。
手術は、病変が大きい・長期化・仕事上の要求が高い・嚢胞など保存療法で改善が乏しいケースで検討します。(必要時は提携する基幹病院へ紹介いたします。)

生活の工夫(再発予防)
十分な水分摂取、加湿、長時間連続で話さない、高声量を避ける、就寝前の食事を控える(逆流対策)、禁煙。これらは治療効果を高め、再発を減らします。

Q&A
Q. 自然に治りますか?
A. 声帯結節は音声治療と衛生指導で改善する例が多く、声帯ポリープも一部は保存的に消退します。ただし、声の使い方によってこれらは発生したものであり、クセ付いた声の使い方はなかなか簡単には治りません。ご自身で行えることも多いですが、通院での音声リハビリテーションをご提案させていただくこともあります。
また、声帯嚢胞は自然消退が少なく、顕微鏡手術を検討します。迷ったら早めに評価を受けましょう。
Q. 手術は声に悪影響はありませんか?
A. 目的は声の質を改善することです。顕微鏡下で粘膜を大切に温存しながら摘出します。術後は適度な声の安静が回復を促します。手術の適応と判断された場合は、連携する基幹病院へ紹介いたします。
Q. 仕事(重要な講演・歌など)の本番が迫っています。どうすれば?
A. 発声負荷の管理とこまめな水分・加湿、必要に応じ短期のステロイドを含めた薬物で炎症を一時的に抑えます。ただし、薬物投与などで、一時的に声が出るようになるかもしれませんが、そのまま無理をするとさらに増悪していきます。終演後は根本治療(習慣の見直し・必要時の手術)を検討します。

まとめ(院長メッセージ)
声は、仕事や暮らし、自己表現の大切な機能です。院長は基幹病院・大学病院で音声障害の診療と研究に携わり、声の衛生指導・音声治療から顕微鏡手術など幅広く経験してきました。当院では細径内視鏡での精密な評価、患者さんの生活に沿った治療計画、必要に応じた専門施設との連携で、無理のない回復と再発予防を目指します。
声の不調が続くときは、どうぞ早めにご相談ください。
記事監修

Itsuki Kitayama
大阪あわじ駅前クリニック 院長・医学博士
北山 一樹
医学博士(大阪大学)
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 認定専門医・指導医
日本アレルギー学会 認定専門医
日本喘息学会 認定専門医
日本音声言語医学会 音声言語認定医
大学病院・基幹病院にて小児から成人、一般的な耳鼻咽喉科疾患から悪性疾患まで幅広い診療を担当。外来・手術・研究の総合的な経験を有する。
音声の研究では、“粗ぞう性嗄声(ガラガラ声)”の音響学的なメカニズムとその発声機構を世界で初めて解明し、学術報告を行う。
また、難しくなりがちな医療情報をわかりやすく伝えることを目指し、医学専門デザイン事業STUDIO BIUMを運営。学会・医療機関のロゴ・配布資料・Webサイトなど、一貫した“わかりやすさ”を設計している。
学術実績など
