大阪あわじ駅前クリニック 耳鼻咽喉科・小児科

about

ゼップバウンド®(準備中)

肥満を伴う睡眠時無呼吸に対する新しい治療選択肢

※こちらの治療は現在準備中です。

ゼップバウンド®による薬物療法について

睡眠時無呼吸症候群の治療は、CPAP療法だけではありません。
患者さんの状態に応じて、鼻・のどの治療、体重管理、生活習慣の見直しなどを組み合わせて考えることが大切です。

その中で近年、肥満を伴う閉塞性睡眠時無呼吸症候群に対する新しい治療選択肢として、ゼップバウンド®(一般名:チルゼパチド)が注目されています。

ゼップバウンドは、GIP/GLP-1受容体作動薬に分類される週1回投与の注射薬です。
食欲や体重に関わるホルモン経路に作用し、体重減少を通じて、睡眠中の気道閉塞や無呼吸の改善に寄与する可能性があります。

ただし、ゼップバウンドは単なる「痩せ薬」ではありません。
睡眠時無呼吸症候群の治療薬として使用する場合も、医学的な適応を慎重に見極めたうえで検討する薬剤です。

ゼップバウンドはどのような方が対象になり得るか

ゼップバウンドは、すべての睡眠時無呼吸症候群の方に使用する薬ではありません。

睡眠時無呼吸症候群に対しては、一般的に以下のような条件を満たす方が検討対象となります。

睡眠時無呼吸の重症度は、問診だけでは判断できません。
簡易睡眠検査などの結果をもとに、AHIやREIといった指標で評価します。

また、BMI 27kg/m²以上であれば誰でも対象になるわけではありません。
睡眠時無呼吸の重症度、肥満の程度、合併症、これまでの治療経過、生活背景、副作用リスクなどを総合的に確認したうえで、適応を判断します。


耳鼻咽喉科で評価する意味

閉塞性睡眠時無呼吸症候群では、睡眠中に上気道が狭くなることで、いびきや無呼吸が起こります。

耳鼻咽喉科では、鼻からのどまでの空気の通り道を確認できます。

当院では、以下のような点を診察します。

肥満を伴う睡眠時無呼吸であっても、鼻やのどに治療できる原因が隠れていることがあります。
薬物療法を検討する場合でも、耳鼻咽喉科的な評価を行うことで、より適切な治療方針につなげることができます。


ゼップバウンドとマンジャロの違い

ゼップバウンドとマンジャロは、どちらも有効成分はチルゼパチドです。
ただし、承認されている効能・効果や使用目的が異なります。

マンジャロは主に2型糖尿病に対して使用される薬です。
一方、ゼップバウンドは肥満症や、一定の条件を満たす閉塞性睡眠時無呼吸症候群に対して使用が検討される薬です。

同じ成分であっても、診療上の位置づけは異なります。
睡眠時無呼吸症候群に対して使用を検討する場合は、睡眠時無呼吸の重症度や肥満の状態を確認し、治療目的を明確にしたうえで判断します。


期待される効果

ゼップバウンドによる治療では、体重減少を通じて、睡眠時無呼吸の改善が期待される場合があります。

臨床試験では、肥満を伴う中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸症候群の方において、以下のような改善が報告されています。

  • 体重減少

  • AHIの低下

  • 夜間の呼吸状態の改善

  • 血圧など心血管リスクに関わる指標の改善

  • 日中の眠気や睡眠の質に関わる指標の改善

ただし、効果には個人差があります。
また、薬を使用すれば必ずCPAPが不要になる、あるいは睡眠時無呼吸が完全に治る、というものではありません。

治療効果は、体重、検査結果、症状、CPAP使用状況、生活習慣などを定期的に確認しながら判断します。


投与方法

ゼップバウンドは、週1回の皮下注射薬です。

通常は少量から開始し、体調や副作用を確認しながら段階的に増量します。
急に高用量から開始する薬ではありません。

治療中は、体重の変化、胃腸症状、食事摂取量、睡眠時無呼吸の改善状況などを確認しながら、継続の可否を判断します。

自己注射で行う薬剤のため、使用方法、保管方法、廃棄方法についても事前に説明を行います。


副作用について

ゼップバウンドで比較的多い副作用は、消化器症状です。

特に、治療開始初期や増量時に以下のような症状が出ることがあります。

多くは一時的なこともありますが、症状が強い場合や長く続く場合には、無理に継続せず医師に相談する必要があります。

また、まれではありますが、注意すべき副作用として、急性膵炎、胆石症・胆嚢炎、低血糖、脱水、腎機能障害などが問題になることがあります。

以下に当てはまる方は、特に慎重な判断が必要です。


保管方法

ゼップバウンドは、冷蔵保存が必要な薬剤です。
ご自宅での保管方法、持ち運び、使用前の確認、使用済み注射器の取り扱いについては、診察時に説明します。

出張や旅行が多い方は、保管温度や持ち運び方法について事前に確認が必要です。


保険診療と自費診療について

ゼップバウンド®は、一定の条件を満たす閉塞性睡眠時無呼吸症候群に対して、保険診療上の適応となり得る薬剤です。

ただし、保険診療で使用するための条件は非常に厳しく、BMIや睡眠検査の結果だけで、すぐに処方できる薬ではありません。

「保険診療」でゼップバウンドを使用する場合、患者さん側には、原則として以下のような条件が求められます。

さらに、医療機関側にも厳しい施設要件があります。
保険診療として使用するには、循環器内科、呼吸器内科、耳鼻咽喉科、内科などを標榜していることに加え、OSAS診療に関する専門医の関与、教育研修施設としての認定、常勤の管理栄養士による栄養指導体制、副作用に対応できる医療連携体制などが必要です。

そのため、保険診療でのゼップバウンド治療は、現実的には大学病院、総合病院、専門外来など、十分な診療体制を備えた医療機関で行われることが中心になると考えられます。

また、患者さんにとっても、保険診療で行う場合は時間的な負担が小さくありません。
投与前から3か月以上の食事療法・運動療法、管理栄養士による栄養指導、治療計画の作成、定期的な通院、投与開始後の継続的な栄養指導、一定期間後の睡眠検査による効果判定などが必要になります。

つまり、ゼップバウンドは「BMIと睡眠検査の数値が条件に合えば、すぐに保険で始められる薬」ではありません。
保険診療で使用する場合には、患者さん側・医療機関側の双方に厳格な条件があり、治療開始までにも一定の準備期間が必要です。


当院でゼップバウンドによる治療を行う場合は、現時点では「自費診療」としてのご相談となります。

ただし、自費診療であっても、医学的な適応を満たしているか、安全に使用できるか、睡眠時無呼吸症候群の治療として妥当かを慎重に確認します。

「痩せたいから使う」という美容目的ではなく、
肥満を伴う睡眠時無呼吸症候群に対する治療選択肢のひとつとして、必要性を見極めたうえで検討します。

当院では、まず睡眠時無呼吸症候群の検査、BMIや合併症の確認、耳鼻咽喉科的な鼻・のどの評価を行います。
そのうえで、CPAP療法、マウスピース治療、鼻・のどの治療、生活習慣の見直し、薬物療法などを含めて、患者さんにとって適切な治療方針を一緒に考えていきます。


当院での考え方

大阪あわじ駅前クリニックでは、睡眠時無呼吸症候群に対して、まず以下の流れで評価を行います。

  1. いびき、眠気、無呼吸の指摘などの問診

  2. 鼻・のどの耳鼻咽喉科診察

  3. ご自宅でできる睡眠検査

  4. 必要に応じた在宅精密検査の手配

  5. CPAP、マウスピース、鼻・のどの治療、生活習慣改善の検討

  6. 肥満を伴う中等症以上の方では、薬物療法の適応も含めて検討

ゼップバウンドは、睡眠時無呼吸症候群に対する新しい選択肢ですが、すべての方に必要な治療ではありません。
標準的な治療を大切にしながら、患者さん一人ひとりの状態に合わせて、適切な治療方法を一緒に考えていきます。


いびき・眠気・肥満が気になる方へ

「いびきが大きいと言われる」
「寝ている間に呼吸が止まっていると言われた」
「日中の眠気が強い」
「体重が増えてから、いびきや無呼吸が悪化した気がする」

このような方は、まず睡眠時無呼吸症候群の評価をご相談ください。

ゼップバウンドを含む薬物療法は、検査結果や診察内容をもとに、必要な方に慎重に検討する治療です。
当院では、耳鼻咽喉科の視点から原因を確認し、ご自宅で始めやすい検査と、続けやすい治療をご提案します。

※ゼップバウンドによる治療は現在準備中です。

記事監修

院長のプロフィール写真

Itsuki Kitayama

大阪あわじ駅前クリニック 院長・医学博士

北山 一樹

医学博士(大阪大学)
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 認定専門医・指導医
日本アレルギー学会 認定専門医
日本喘息学会 認定専門医
日本音声言語医学会 音声言語認定医

大学病院・基幹病院にて小児から成人、一般的な耳鼻咽喉科疾患から悪性疾患まで幅広い診療を担当。外来・手術・研究の総合的な経験を有する。
音声の研究では、“粗ぞう性嗄声(ガラガラ声)”の音響学的なメカニズムとその発声機構を世界で初めて解明し、学術報告を行う。
また、難しくなりがちな医療情報をわかりやすく伝えることを目指し、医学専門デザイン事業STUDIO BIUMを運営。学会・医療機関のロゴ・配布資料・Webサイトなど、一貫した“わかりやすさ”を設計している。

学術実績など