コラム
COLUMN

吸入療法エキスパート試験を終えて
はじめに:この資格の意義と、患者さんへのメリット
喘息の治療で代表的な「吸入薬」ですが、お薬の選択はもちろんですが、飲み薬と違い、使い方でその効果は大きく変わってきます。正しい吸入デバイスの選択と、「正しい使い方」がそろって初めて力を発揮するのです。
吸入療法エキスパート認定試験は、喘息・COPDなどの吸入治療に関する知識と手技を体系的に学び、誤使用を減らし、発作や増悪を予防することを目的とした試験になります。

具体的には以下のような内容について、充分に医療者が患者さんに対して説明できることを目的としています。
吸入デバイスえらびの適正化
使い方の徹底
継続フォロー
保管・洗浄・交換時期まで含めた実用的な指導
受講(受験)できる人の概要
毎年の要項で細部は変わりますが、吸入療法に関わる医療職(医師・看護師・薬剤師・療法士など)を対象に、事前学習(配布テキスト・解説動画の視聴)を行ったうえで受験する形式です。
※必要な学会・講習会の参加回数など、正式な受講条件・申込方法は開催年度の要項をご確認ください。
今回の試験の概要
開催日:2025年11月2日(日)
会場:大阪・オービックホール
構成:
学科試験(MCQ):択一式40問/試験時間60分
実技試験:吸入デバイス2機種がランダムに選ばれ、手順・指導内容を評価/合計20分
実技試験の出題と手応え
事前告知どおり、公式の吸入療法“説明動画”に沿った内容でした。
デバイスのセットアップ
ホー吸入(呼気の整え方を含む)の指導
薬剤の保存期限・保管方法
各デバイスのパーツ名など、意外と細部まで採点対象なようでした。
私に当たった機種はエリプタとレスピマットでした。20分枠でしたが10分で2機種とも終了できました。
学科(MCQ)の出題範囲
申し込み後にメール配布されるPDFテキストからすべて出題されており、内容は非常に素直な印象でした。所要60分に対し、私は15分程度で解答を終えました。
※会場内は電子機器が一切使えないため、待ち時間対策に紙媒体の読み物の持参がおすすめです。
吸入療法エキスパート試験を受けて得られたこと
1. 指導を“なんとなく”から“体系的”へ
これまでも吸入手技の確認は行ってきましたが、今回の試験を通じて患者さんへの指導の流れをより体系化できました。
2. 知識の再整理と“抜け”の解消
学科(MCQ)と実技試験は、
デバイスのセットアップ
ホー吸入のコツ(薬剤がのどの奥にしっかりと届く吸入方法)
薬剤の保存期限・保管
パーツ名称まで
細かいところまで問われました。試験勉強を通じて、自分の知識の棚卸しができ、説明の精度が上がったと実感しています。
3. 公式動画も活用ください(お役立ちページ)
当院HPの「お役立ちページ」に、日本喘息学会が公開している“吸入のしかた”の公式動画へのリンクをまとめています。
診察室で一緒に確認した後、ご自宅でも同じ手順を動画で復習できます。
喘息でお困りの方へ
咳や息苦しさが続く/発作が増えた/吸入がうまく使えているか不安…という方は、遠慮なくご相談ください。
機種選びの見直し、手技の再確認も含め、最適化された喘息治療ご提案いたします。。
記事監修

Itsuki Kitayama
大阪あわじ駅前クリニック 院長・医学博士
北山 一樹
医学博士(大阪大学)
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 認定専門医・指導医
日本アレルギー学会 認定専門医
日本喘息学会 認定専門医
日本音声言語医学会 音声言語認定医
大学病院・基幹病院にて小児から成人、一般的な耳鼻咽喉科疾患から悪性疾患まで幅広い診療を担当。外来・手術・研究の総合的な経験を有する。
音声の研究では、“粗ぞう性嗄声(ガラガラ声)”の音響学的なメカニズムとその発声機構を世界で初めて解明し、学術報告を行う。
また、難しくなりがちな医療情報をわかりやすく伝えることを目指し、医学専門デザイン事業STUDIO BIUMを運営。学会・医療機関のロゴ・配布資料・Webサイトなど、一貫した“わかりやすさ”を設計している。
学術実績など




