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コラム|「淡路」の名にまつわる物語
はじめて淡路に降り立った日、駅前の風にふっと土の匂いが混じっている気がしました。人の流れは多いのに、どこか懐かしい――「どうしてここは“淡路”と呼ばれているんだろう」。そんな素朴な疑問を紐解いていきます。
淡路という名には、昔からひとつの物語が伝わっています。延喜元年(901)、学者としても名高い菅原道真が、諸事情で都を離れて西へ向かう舟旅の途中、当時は中洲だったこのあたりを「淡路島」と見まちがえて上陸した――それが地名のはじまりになった、という伝承です。
お隣の「菅原」という町名や、そこに鎮座する菅原天満宮は、この物語を今に伝える存在でもあります。実際にまちに残る社や地名を歩いて確かめてみると、古い記憶が大切に守られてきた時間を感じます。
菅原天満宮(大阪市 東淀川区)
この伝承を知ってから、駅前の風景が少し違って見えるようになりました。朝のラッシュで急ぐ人、放課後に友だちと笑い合う子どもたち、買い物帰りに小さな荷物を抱える方――行き交う人の物語が日々折り重なる場所。そして、具合が悪くなるのは、たいていそんな日常の中突然起こります。のどがイガイガする、鼻がつまって苦しい、子どもが急に熱っぽい。「駅前に寄れば大丈夫」という安心があれば、毎日が少し軽くなるはず。そう思って、私はここ淡路での開業を決めました。
淡路には、阪急京都線と千里線が交わる淡路駅、そしてJRおおさか東線のJR淡路駅という二つの玄関口があります。梅田(大阪梅田)から十数分、新大阪からもすぐというアクセスの良さは、耳鼻咽喉科や小児科のように「今診てほしい」ことの多い診療にとって、患者さんにとっての大きな支えになると考えています。
私たちが目指すのは、生活の真ん中にあるクリニックです。通勤前の短い時間、保育園・学校の帰り道、買い物の前後――“行きたいときに、安心して”受診できるように、駅からの導線、ベビーカー・自転車の置き場所、Web予約や混雑目安など、アクセスのしやすさを意識し、安心して受診していただけるクリニックづくりを目指しています。
遠い昔、道真公が立ち寄ったという伝えが残るまち・淡路。私たちのクリニックもまた、みなさんの日常の旅路にそっと寄り添う場所でありたい。
淡路という名に語り継がれてきた物語を胸に、駅前で皆さまの健康を支えるまちのクリニックとしてお待ちしています。
記事監修

Itsuki Kitayama
大阪あわじ駅前クリニック 院長・医学博士
北山 一樹
医学博士(大阪大学)
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 認定専門医・指導医
日本アレルギー学会 認定専門医
日本喘息学会 認定専門医
日本音声言語医学会 音声言語認定医
大学病院・基幹病院にて小児から成人、一般的な耳鼻咽喉科疾患から悪性疾患まで幅広い診療を担当。外来・手術・研究の総合的な経験を有する。
音声の研究では、“粗ぞう性嗄声(ガラガラ声)”の音響学的なメカニズムとその発声機構を世界で初めて解明し、学術報告を行う。
また、難しくなりがちな医療情報をわかりやすく伝えることを目指し、医学専門デザイン事業STUDIO BIUMを運営。学会・医療機関のロゴ・配布資料・Webサイトなど、一貫した“わかりやすさ”を設計している。
学術実績など




