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声がかれる


声がかれる(嗄声)|放っておかないための基礎知識
声が急にガサガサになった、長引いて仕事や日常に支障が出ている——。嗄声(させい/声がれ)は、かぜの延長で自然に良くなることもあれば、治療や精査が必要な病気のサインのこともあります。
ここでは原因の考え方、受診の目安、当院で行う検査と治療を、患者さん向けに分かりやすくまとめました。
- 声がかれる(嗄声)|放っておかないための基礎知識
- よくある原因
- 急性喉頭炎(感染による一過性の炎症)
- 声帯結節・声帯ポリープ(使いすぎによる機械的障害)
- 反回神経麻痺(声帯麻痺)
- 喉頭がん・下咽頭がん(まれだが見逃せない病気)
- 急性喉頭蓋炎・扁桃周囲膿瘍(緊急性のあるのどの炎症)
- 当院でできる検査
- 内視鏡(喉頭ファイバースコープ)
- 画像検査
- 治療の基本方針
- 休声と声の衛生
- 薬物療法・ネブライザー
- 音声治療
- 外科的処置・手術療法
- Q&A
- Q. かぜの後の声がれ、どのくらい休めばいい?
- Q. 長く続く嗄声はがんが心配です……
- Q. 子どもの声がガラガラです。小児でも検査は必要?
- Q. こもった声でつばも飲み込めないほど痛い——救急に行くべき?
- まとめ(院長からのメッセージ)

よくある原因
急性喉頭炎(感染による一過性の炎症)
最も多いタイプです。ウイルス性上気道炎の一部として声門(声帯)付近の粘膜が腫れて声がれ・咽頭痛・咳が出ます。数日〜1週間で改善することが多いですが、無理な発声や喫煙で長引くことがあります。強い腫れが気管側へ及ぶと呼吸が苦しくなることがあり、注意が必要です。日耳鼻の市民向け解説でも、急性喉頭炎は安静・加湿・原因治療が基本とされています。
声帯結節・声帯ポリープ(使いすぎによる機械的障害)
大きな声・長時間の発声・咳の反復などの負荷で、声帯のフチに小さな“タコ(結節)”やふくらみ(ポリープ)ができ、かすれ声・声の出しづらさが続きます。声の衛生指導や音声治療(リハビリ)が基本で、ポリープなどは手術を検討することがあります。

反回神経麻痺(声帯麻痺)
甲状腺・食道・胸部の手術後や神経の炎症・腫瘍などで、声帯を動かす神経が障害される状態です。声がかすれる/強い息漏れ/むせやすいが典型で、原因検索(頸胸部画像など)と発声・嚥下(飲み込み)のリハビリ、必要に応じ声帯内注入術等を行います。 (耳鼻科情報ネット)
喉頭がん・下咽頭がん(まれだが見逃せない病気)
長引く嗄声(2〜3週間以上)は早期喉頭がんの初発症状の代表です。痛みが軽くても、声の変化が続くときは早めの内視鏡診察が大切です。喫煙・飲酒は主要なリスク。早期なら放射線や経口的手術で治癒を目指せます。

急性喉頭蓋炎・扁桃周囲膿瘍(緊急性のあるのどの炎症)
高熱・強いのど痛・飲み込み困難・よだれ・含み声などを伴い、呼吸が苦しい時は救急対応が必要です。特に、急性喉頭蓋炎は気道が急速に狭くなることがあり、速やかな抗菌薬・ステロイド等の全身管理を行います。扁桃周囲膿瘍は切開排膿を行う必要があります。



当院でできる検査
内視鏡(喉頭ファイバースコープ)
細いカメラで声帯の腫れ・結節/ポリープ・麻痺の有無を直接確認します。
画像検査
声帯麻痺では頸胸部CTなどで原因検索を行います。腫瘍などのさらなる精査・加療が必要な場合が疑わしい場合には基幹病院と連携し、詳しく評価します。
治療の基本方針
休声と声の衛生
声帯の炎症や、声帯結節などの良性疾患の場合、声を使いすぎない/こまめな水分摂取/加湿/禁煙が基本となります。
薬物療法・ネブライザー
急性炎症には消炎鎮痛薬や必要に応じて抗菌薬を用います。ネブライザー療法で直接粘膜の炎症を和らげ、咳や痰による刺激を軽減します。
音声治療
誤った発声の癖を整え、負担の少ない声の出し方を練習します。
外科的処置・手術療法
必要性に応じて高次医療機関と連携して実施します。

Q&A
Q. かぜの後の声がれ、どのくらい休めばいい?
A. まずは1週間程度を目安に“声を張り上げず短く話す”を心がけます。ヒソヒソ声はかえって負担になったり、変なクセが付く危険があります。改善が乏しければ内視鏡で状態をそのつど確認します。
Q. 長く続く嗄声はがんが心配です……
A. 多くは良性の炎症や結節・ポリープですが、2~3週間以上続く嗄声は早期喉頭がんのサインのことがあります。痛みが軽くても耳鼻咽喉科での内視鏡をおすすめします。
Q. 子どもの声がガラガラです。小児でも検査は必要?
A. 学童期でも声の使いすぎで声帯結節が起こります。授業・運動会・部活動で声を酷使している子は一度確認をおすすめします。検査を頑張っていただけるお子さんであれば、細径の内視鏡をもちいて確認することができます。発声指導が中心となります。
Q. こもった声でつばも飲み込めないほど痛い——救急に行くべき?
A. 急性喉頭蓋炎や扁桃周囲膿瘍の可能性があります。よだれ・呼吸苦・高熱を伴えば至急受診してください。(呼吸苦がある場合は、夜間であっても我慢せず救急外来を受診してください。)

まとめ(院長からのメッセージ)
声は生活や仕事に欠かせないものであり、心の健康にも直結します。
基幹病院・大学病院での音声に関する診療および研究の経験を生かし、当院では内視鏡による丁寧な診察と音声治療(言語聴覚士)、必要に応じた高次医療機関連携まで一貫してサポートします。
「かぜだからそのうち治るだろう」と我慢せず、長引く声枯れや仕事に差し支える声の不調はぜひご相談ください。
記事監修

Itsuki Kitayama
大阪あわじ駅前クリニック 院長・医学博士
北山 一樹
医学博士(大阪大学)
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 認定専門医・指導医
日本アレルギー学会 認定専門医
日本喘息学会 認定専門医
日本音声言語医学会 音声言語認定医
大学病院・基幹病院にて小児から成人、一般的な耳鼻咽喉科疾患から悪性疾患まで幅広い診療を担当。外来・手術・研究の総合的な経験を有する。
音声の研究では、“粗ぞう性嗄声(ガラガラ声)”の音響学的なメカニズムとその発声機構を世界で初めて解明し、学術報告を行う。
また、難しくなりがちな医療情報をわかりやすく伝えることを目指し、医学専門デザイン事業STUDIO BIUMを運営。学会・医療機関のロゴ・配布資料・Webサイトなど、一貫した“わかりやすさ”を設計している。
学術実績など




